古本あれこれ・夢の屋

メールマガジンに書いている「古本あれこれ」ですが、何を書いたか忘れてしまうので、このページにまとめておきます。
創刊号からスタートして既に連載が終了した読み物「ネット古本屋入門講座」はこちらに掲載インターネット古本屋への道

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□■古本あれこれ■□2006.10/31
●激震メールが!?●
今夜中に本メルマガを発行し、最後に寝酒を…と思いながら、
テラ・パッドで行変えの作業しているときに、メール到着のお知らせサインが。
楽天フリマから号外配信で、何かなと思い、開いたら、
“新サービス開始、および楽天フリマサービス終了のお知らせ”
NTTドコモと共同で会社を立ち上げ、
よりパワーアップしたオークションサービスとして、
ついに11月13日に生まれ変わります!というもの!!
“聴いてないよ!”
このメールが最初のお知らせですから、本当にビックリさせられました。
手数料など知りたいことについての詳しい説明は何も書いてないが、
固定価格を止めて、オークションのみのサービスに変わるらしい。
当店の場合は、“一撃落札”が導入されたときから、
当初は“一撃落札”で出品し、一定期間後“固定価格”へ自動的に移行することでずっとやってきた。
特殊な本は本来のオークションで出品したこともあるけれど、
“固定価格”が基本であり、“一撃落札”も手数料が安いから採用しただけ。
当然、当店は“固定価格”の方の受注が多い。
それなのに、何故!?
そんなにもYahoo!オークションと競いたいのだろうか、というのが第一印象だ。
固定価格の出品サイトにはアマゾンもあるが、あちらはISBN番号があることという限界もあり、
古い単行本でも雑誌でも何でも固定価格で出品できるのは、楽天フリマの強みのはずなのに、
古本についてはオールマイティのサイトのはずなのに、
何故今“オークション”に特化する必要があるのか、私には理解不能だ。
まだシステムや料金など詳細は不明だが、
新サービス後の楽天で、今のレベルの売上は期待出来そうになくっなったことは間違いない。
本日この連絡メールを受け取った同業者の中には、私のように驚いた人が多数いると思う。
何処か別のサービスへの参加を検討しなければならないのだが、
ずっと楽天フリマと自分のサイトでやってきたので、
別のサービスについて検討したこともなく、全く無知の状況だ。
いったいどうしたら良いのか、頭はクラクラ状態です。

□■古本あれこれ■□2006.9/21
●古本価格が定価の“二分の一”の古本屋は札幌から消えたのか?
先日新しい電話帳が届きました。
私のところに届いたタウンページ札幌市北部版の古本屋コーナーを確認したら、
二分の一とか1/2とか付く古本屋はゼロになっていました。

売値が全て定価の二分の一という方式は、
値決めで悩む必要が無く、古本屋として画期的なシステムだったようで、
これで素人も古本屋に参入し易くなったようです。
新聞などによると札幌が発祥の地と言われています。
北大前に開店した古本屋が始めたとか。
後に女優の東てる美が似たようなシステムを東京で始めたと。
一時期、札幌市内には、この二分の一方式の古本屋チェーンがいくつもありました。

それの様変わりが起き始めたのは、ブックOの一号店を皮切りに、
新古書店が陸続と開店し、新しい人気の本を高く買い入れ出してからだ。
ブックO一号店の頃は、マンガ新書判の売値が200円、B6判で300円だったと思うが、
それが現在はそれぞれ250円、350円。
新古書店は当然、人気マンガや話題の小説・エッセイは高く仕入れての薄利多売方式だ。
売値が二分の一に抑えられると当然のことながら、買値も低く抑えざるを得なく、
二分の一方式では、人気本の仕入れ競争に太刀打ちできなくなったのだと思う。
人気の本を仕入れるには、売りに来てもらうには、買値を高くするしかない、
すると二分の一という値段では売れないから、屋号から“二分の一”をはずさざるを得なくなった。
屋号を変えて生き残った店はまだまだ商売が上手だったということか、
消えてしまった店もたくさんありますから。

新古書店も新しい本は高く、古いものは一番安くて100円などというように、
買値と売値をマニュアル化したという点で、“二分の一”方式の流れにあるのだが、
後続の大型店が先発の小さな“二分の一”を駆逐しつつあるようです。

一応確認のため、“iタウンページ”http://itp.ne.jp/で“古本屋 札幌”を検索してみたら、
二分の一っぽい名前の付く古本屋は133件中2件、西区と手稲区に1件ずつあるのみとなっていた。
そのどちらも元々チェーン展開している店ではなかった。
札幌市内からチェーン展開している“二分の一”系は無くなったようです。


話題は変わりますれど、先週の9/12にたまたま読んだ朝日新聞夕刊の天声人語が、
珍しいことだと思いますが、古本屋を話題にしていました。その趣旨は、
ネットで世界中の古本が検索でき、本探しも効率的になったけれど、ちょっと寂しい。
古本屋にも新刊本屋にも店頭での予想外の思いがけない出会いがある。
本との出会いには、効率では計れない、運命めいたものがあるように思う…というもの。

私自身はネット古本屋のリストを見ながら、ウロウロすることはほとんどありません。
読みたいと思わせる本に際限は無く、逆に懐はさびしいから、
誘惑を断つ意味でも、ネット古本屋の中をウロウロしなくなりました。
“あの本”を早く読みたいというときの“キーワード検索一本釣り”以外は、
気長に街の古本屋でいつか見つかるさと思いつつ、新たな出会いも楽しみに歩いています。


□■古本あれこれ■□2006.7/8
1-(Google ツールバー)
GoogleファンでプラウザにI.E.を使っている方は、
“Google ツールバー”を愛用していることと思いますが、
I.E.はちょっと問題があるからねとI.E.を使っていない方も多いかと思います。
私は、I.E.とMozilla Firefoxの二つを使いわけていますけれど、
Firefoxでは、この便利な“Google ツールバー”が使えないというのが、唯一の欠点でした。
しかし、Firefox用のGoogle ツールバーもでき、より便利になりましたので、ちょっと紹介します。
http://www.google.com/tools/firefox/toolbar/FT2/intl/ja/index.html
このツールバーをインストールしますと、縦長のホームページで目的の字句を探すとき、
キーワードを入力するとその部分がハイライト表示され、簡単にその場所へたどりつけます。
そんなソフト知らなかったというI.E.の方は、次のページでインストールできます。
http://toolbar.google.com/T4/intl/ja/index.html
この古本通販のメルマガも縦長で文字だらけですから、一行ずつチェックするのは大変な苦痛です。
そんなとき、この“Google ツールバー”があれば、
メルマガ発行後、速やかに更新する下記の「夢の屋・古本通販新着メールマガジンの案内」で
作家名などのキーワードを入力すると簡単に内容チェックができます。
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/melma.html
古本屋の縦長の古本リストをチェックするときに、ご活用願います。

2-(落とした古本探索手帳)
先週の水曜、遠くのブックOへ出かけた帰りの夜、
手帳を落としたことに地下鉄の中で気が付いた。
セドリ用の抜けた巻を記し、自分用の読書のための探索メモを兼ねた大事な手帳だ。
最後に寄ったブックOでは広げたはずだと思い、
ひょっとしたら、そこへ行く途中に買ったペットボトルのジュースを飲み終えて、
カバンの横の小さなポケットへボトルを無理矢理押し込んだときに…
翌日落し物がないか念のため電話してみたら、ちゃんと保管されていた。
大切な商売道具だから、この手帳を失くしたら、
何巻を既に持っているのか、探している抜けた巻はどれなのか判らなくなって、大変困るところでした。
あの手帳を見られたからといって、
同業の古本屋だと判断されることはないはずだと思いながらも、
プロのようだから今後入店はお断りします、なんて言われないだろうなとちょっと心配しつつ、
日曜日に受け取りに行ってきました。
何も言われず無事手帳が戻ってホッといたしました。

この古本探索手帳は今何代目になるのかは判らないが、
20年近く前のプータロー時代、頻繁に古本屋廻りをするようになったときに付け始めたのが最初だ。
そのときは、蔵書台帳を兼ねていたので、マンガ関係と一般書の2冊に分けて整理していた。
その後、マンガの貸本屋を始めたときに、今の一冊に落ち着きました。
貸本用の続巻を探している作品の種類が半端ではなかったので、
貸本用マンガの探索手帳は、古本屋めぐりの必須アイテムでした。
当然ですが、発売即新刊で買った場合も、この手帳に追加記入しました。
自分自身の読書のためだけに買うのであれば、
出だしのストーリーなどを立ち読みでちょっと確認すれば、済みます。
それでも、ストーリーを忘れることも多いし、“積読”の本もあるから、
ときたまダブリ購入が出てきます。
自分が読まない商売用となると、貸本屋としても、後に始めたネット古本屋としても、
何巻まで持っている、何巻が抜けているという探索メモが無いと、どうしようもありません。
古本屋になったら、自分で読んだ本を売って、また探して仕入れることもあるから、
この場合は、ストーリーの記憶があるかどうかは、仕入れの判断基準になりません。
また全1巻のものだと単なるダブリですけれど、
長編やシリーズものの途中巻がダブッた場合は、ほぼ死蔵巻になってしまいます。

蔵書がたくさんある人は、おそらくダブリで悔しい思いをしたことがあるでしょうから、
やっぱり私のように探索手帳を持って古本屋を歩いているんでしょうね。

□■古本あれこれ■□
2006.4/8(スキャナーとデジタルカメラ)
初めてパソコンのセットを買ったときに付いてきたデジタルカメラは画素数も低く、
また本の表紙を写すという近距離の接写にも向いておりませんでした。
そのカメラもパソコンNEC9800シリーズが壊れた時に使えなくなってしまいました。
後にスキャナーも兼用のプリンターを買った時から、
本の表紙画像をアップする場合は、このスキャナーを使っていました。
スキャナーも性能が良いと機能も色々便利なのかも知れませんが、
一冊の本のスキャナーに結構時間がかかるということとA4判という大きさの限界がありました。
また、小口の汚れや痛みを伝えるのにも向いておりませんでした。

先日、姪の旦那さんから、使っていないというデジタルカメラを頂戴したので、
今回早速このカメラを使って本の撮影をいたしました。
説明書もじっくり読まずに写しておりますので、まだ使いこなせておりません。
四角い本なのに魚眼レンズのように少し丸まった画像になっておりますし、
夜の蛍光灯での撮影も上手な写し方がわかりません。
ただカメラなので写す作業は一瞬ですから、スキャナーに比べると作業時間はかなり短縮されました。
ですから、今回は画像も多くなっております。
今後は特殊な場合を除き、本の画像はデジタルカメラで行きます。
次回のメルマガ発行時には、きっともう少し上手になっていると思います。

□■古本あれこれ■□
2006.1/23(メール便であたふた)
2005年8月に“ゆうメール”を導入いたしましたが、3kgまでというこちらの思惑とは違い、
厚いものはダメということで、最初のスッタモンダがありました。
当初ゆうメールも速いものは集荷の日から数えて3日目には届いており、
安価なこれでいけるかなと思っていましたが、10月に入りましたら、
一週間近く経ってもまだ届かないというメールの問い合わせが時々入るようになりました。
5年半の間、冊子小包一本やりできましたが、その間、郵便局に不着の調査依頼をしたのは一度だけ。
そのときは、普段使ったことのない「宅配ボックス」に届いていたということで一件落着でした。
5年半の間にたった一度だけだったものが、
10月の1か月の間だけで数度不着の調査依頼をすることになりました。
いくら安価とは言え、一週間以上かかるのでは、お互いの心臓に良くないと思い、
少し料金が高くなってもバーコードで追跡できるメール便に変更しようと申し込みました。
12月に入り、繁忙期の年末年始は“ゆうメール”はお休みとの説明がありました。
安価だからしようがないとも言えますが、
時期によって宅配業者側(郵便局との契約かもしれませんが?)の意向で、
一方的に取り扱い不可と言われていたら、こちらの通販は商売になりません。
その都度、送料システムの変更を自分のサイトと楽天フリマのサイトでする必要があります。
年が明けてもバーコードで追跡できるメール便の料金連絡がないので、
バーコードで追跡もでき、一個で自宅集荷してくれるクロネコメール便を使うこととしました。
契約料金で安くなるのかと思ったら、一回毎の精算で規定料金のとおりですが、
発送第一号は午後3時過ぎの集荷で翌々日の午前に京都へ届くというスピードでした。
冊子小包より安くバーコードで追跡できるという安心感もあります。
何度か変更を余儀なくされている発送・送料システムですが、
新たなクロネコメール便をよろしくお願いします。
私も早く落ち着きたいのですけれど、良いものがあれば、システム変更がまたあるかも…

□■古本あれこれ■□
2005.12/7(新古書店の開店余波)
今年の春に札幌でも割と賑わっている繁華街に新古書店が開店しました。
たまたま同業者に開店情報を教えてもらったので、開店日に早速行った店です。
それ以来、一ヶ月に一度は訪れる古本屋で、定期巡回コースのひとつになっています。
先月その店に行きましたら、ちょうど大通りを挟み向かいで昔から商売をしていた
組合加盟の古本屋さんが壁看板だけを残して、店内は空っぽになっていました。
移転したのか廃業したのかは知りませんけれど、目の前に開店されたら堪りませんね。
私の場合はマンガの貸本屋でしたけれど、同じ並びの100メートルの距離でした。
以前ほどマスコミの話題にならなくなった新古書店、閉店も時々見かける新古書店ですが、
その新古書店も、古着など他分野のリサイクルも兼業し始めるなど、
生き残りを賭けての模索は大変なようですけれど、広い日本ですから、
新古書店の新規開店に伴う既存古本屋の悲劇は、これからもまだまだ各地に起こるのでしょうね。

□■古本あれこれ■□
2005.5/29(アンケート調査を実施中・5/24開始で調査期間は2カ月間)
夢の屋のサイトやいくつかの古本屋さんなどの掲示板で広報の書き込みをしましたので、
もうご存知の方、既に回答していただいた方もおられるかも知れませんが、
下記のレンタル・サイトで「インターネットでの古本の探し方などについてのアンケート調査」をしております。
http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/preview.cfm?nID=579067964&P=514570918
無記名で選択式の設問がほとんどで、回答が即集計結果に反映されるシステムですので、
本メルマガを購読している古本ファンの方の多数の参加をお願いいたします。
また、ネットの古本屋などに物申したいことがあるという方には、書き込み回答欄もありますので、
日頃思っている不満・意見・提案などを書き込んでいただきたいと思います。
なお、下記アドレスで、アンケート回答の都度、個々にメールで届く回答内容詳細から
「書き込み回答」を紹介しています。(時々更新の予定)
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/questionnaire.html
ネットで検索した限りでは、この種のアンケート調査は今まで無かったようですので、
ご協力をお願いいたします。

(メルマガの後記から)<「古本あれこれ」ではないが、店主の備忘録のページでもあるので>
アンケート調査をするにあたり、CGIの無料ソフトも一応ダウンロートしたのですが、
解説を読んだだけで、頭がクラクラしてきて断念。
「アンケート100人に聞きました!」というサイトもあったのですが、
折角調査するのに、コメント回答がもらえないので、今回は却下。
また、簡単にできる“mail to:”方式でのアンケートも考えたのですが、
“mail to:”はメール・アドレスがこちらに判ってしまうシステムなので、
多数の人の回答は望めないということで、Googleで色々検索していたら、
今回お世話になっている無料のサービス(レンタルアンケート質問君)にたどりつけました。
2カ月間または2000件まで無料だというのですから、ありがたいサイトです。
その上、択一式と選択式の設問については即集計結果まで表示してくれるのですから。
集計結果の非表示も選択できますので、学生の卒論やちょっとした仕事がらみでも十分使えます。
ただ回答者に景品を出すのならともかく、アンケート調査実施中の広報が大変ですけれど。
(店主・注:こうやって何処かに書いたことを残して置くと、場所と具体的内容はは忘れても
サイト内をキーワード検索するとここへたどり着けるわけですから、便利です)

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□■古本あれこれ■□
2005.5/8(インターネット古本屋への道 補足3)
別のページに掲載→インターネット古本屋への道 補足3「古本の仕入れ

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□■古本あれこれ■□
2005.4/17(古本探しと検索エンジン)
このコーナーでYahoo!JAPANが“Google”との提携を打ち切って、独自システムを採用したとことから、
夢の屋のサイトの古本リストがほとんど検索されなくなったことについて、昨年8月何なのとこぼしました。
それが今年2月頃だと思うけれど、Googleのように全て検索されるようになった。
膨大なページの情報集めに時間がかかっていたので、“検索されない”ということになったのかも知れない。
これはこれで一安心なのだが、でもこれは夢の屋のサイトを見ての直接注文には結びついていない。
本についてのキーワード検索していて最近あらためて思ったのは、
キーワード検索で検索されてくるのは、個々の古本屋サイトを除くと、
“アマゾン”と“EasySeek(近々、楽天フリマ統合)”、“楽天フリマ”ぐらいなもので、
“日本の古本屋”に代表されるような多くの古本屋が参加しているサイト内の古本は検索されてこない。
そのようなネット古本屋街は、そのサイトの入り口から入場する人以外は、
つまり“Google”のようなキーワード検索で古本を探す古本ファンは無視しているようだ。
古本屋街サイトの玄関はキーワード検索の対象にしているのだけれど、
古本リストのページはロボット検索の対象外に設定しているということだ。
古本屋街サイトだって参加者から負担金を取っている以上、
玄関からの入場者・利用者をいかに増やすかが商売上、大事だということは私にもわかる。
“アマゾン”“EasySeek”“楽天フリマ”のように、売上実績から手数料を取るわけではないのだから、
ロボット検索エンジンを拒否するという気持ちも一面理解できるけれど…
入り口・玄関がどこであれ、参加している古本屋の売上増に結びつけば、
検索結果の上位に表示されてサイトの中に誘導し、それが売上につながれば、それはそれで効果が大なわけで…

折角、優秀なロボット検索エンジンがあるというのに、
その機能を拒否しているというのは、ちょっと料簡が狭いのではないだろうか?
何かホームページのシステム上の問題があってロボット検索エンジンの対象にできないのだろうか?
そんなネット古本屋街が多いから、増えたから、古本探しにロボット検索エンジンを使う人は減っているのでは…。
だから当店の自サイトを見ての直接注文も激減したのではないかと少しヒガンでいます。

かつてGoogleという優秀なロボット型検索エンジンが登場したときには、
ロボット型検索エンジンを制するものは古本通販を制すると感じたものだけど、
古本屋の皆さん、古本屋街サイトの運営者の皆さん、ロボット検索エンジンをもっと活用しましょう。
古本ファンの立場に立つと、折角古本を探してキーワード検索しても、
新刊のサイト、ファンのサイト、書評のサイトなどなど、
古本に関係のないページがたくさん検索されて、うざったいということもあるでしょうけど…
例えば、古本通販リストには「古本」というキーワードを埋め込むとかいう方法で、
キーワード検索する場合にキーワード「古本」も入力すると、古本屋の本が検索されやすくなるとか、
何か古本ファンの立場に立った折角のロボット型検索エンジンの生かし方はないものでしょうか。
このままでは、優秀なロボット型検索エンジンという宝の持ち腐れ状態と利用者離れがますます加速しそうです。
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□■古本あれこれ■□
11/18(もしネットが無かったら、古本屋稼業は?)
結果的にはモノにならなかったけど、先日テレビのローカル番組がらみで取材を受けた。
取材に来た人が、マンガも古本も大好きという人だったので、
貸本屋時代の話、ネットで古本屋を始めたキッカケ、ネット古本屋の現状などの話題などで
大いに盛り上がり、楽しいひとときとなった。
そのときに、「もし“インターネット”がなかったら、どうなっていたんでしょうね?」という問いかけがあった。
つぶやきのような問いだったので、別にそれらしい返答もしなかったのだけれど、
もしネットというシステム無かったら、貸本屋が傾きかけたあの時期、
ホントどうやって食いつないでいたのだろうか?
そして貸本屋を廃業した後は、一体どうしていたんだろうか、と自分でもちょっと気になった。

ネット古本屋を始めた当時は、新古書店がまだまだ増えていて、
小さな古本屋がどんどん閉店に追い込まれていた時代だったので、
たとえ店舗方式の古本屋になったとしても、それで生き残れるとは想像もしなかった。
もし無店舗で古本屋をやるとすると、インターネットは無いわけだから、印刷した目録による通販しかないことになる。
目録通販をやるとした場合、古本関係の雑誌、マンガ評論の雑誌、同業者の目録などに広告を掲載して、
自店の目録の購読者を募るしか宣伝方法は無かったと思う。
そう簡単に購読希望者が集まるとは思えないから、軌道に乗るまでは無料で発送ということになるだろうし、
その場合の印刷費や郵送費などの持ち出しはバカにならない金額だ。広告宣伝費もかかるのだ。
どう考えても、印刷物の目録通販でうまく行くとは思えない。
そうなると、姿を想像したくはないけれど、「きつい、きたない、危険(給料安い)」な職場で悶々と働いていたのだろうか。

その点、ネット古本屋というのは、目録通販に比べると、必要経費がかなり安くて済み、宣伝も楽である。
なんといっても、お客さんの方で欲しい本を検索で探してくれるのだから。
やっぱり“インターネット”様々だなあということかな。
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(9/23)□■古本あれこれ■□
初版と帯
個人的に初版かどうかについては、特にこだわりはないけど、
初出の雑誌では、こうだったが、単行本になるときには、一部書き直され、
それが文庫版になるときには、一部加筆し再編集されたということもあるので、
大ファンであるとか、研究者であれば、そういう異同は気になるんでしょうね。
後の一部加筆や再編集などを考えたなら、最新版を読んでいるのが、一番無難だと思う。
手塚治虫さんは、単行本が新たになる都度、一部描き直したり、セリフを書き換えたりすることで、
有名な作家だけれど、セリフの書き直しで、全く別のストーリーになっている(「火の鳥 羽衣編」)こともあった。
しかし、全く別のストーリーになってしまうというようなこんな例はおそらく稀であり、
描ききれていないと感じた点を作家が加筆補強したというのが一般的であろうから、
私なんかの場合、初版にこだわる理由は全くない。
小説の場合、単行本から文庫版になるときに加筆されているケースが割とあるので、

文庫版のことわり書きを確認してから、どちらの判を購入するか決めることもある。
ただ初版に対してのこだわりはそうないけれど、
思い入れのある作家の好きな作品の単行本については、古本を見つけた場合、
再版で十分だから、手元に置いておきたいと購入することがたまにある。
おそらく作家自身が、そして担当編集者も、色々の思い入れと経過があって、
この装丁になったのだろうなと思うと、
その後の別のデザインのものよりは当初のものを…、とファンとしてはちょっとこだわってしまう。

平井和正の傑作小説、アダルト・ウルフガイ・シリーズの第一作である「狼男だよ」(立風書房)の初版は、
誤植が多かったらしくって、出版社とトラブルになったのは、ウルフガイのファンには有名な話で、
もし読むのが目的ならば、この誤植の本は避けたいところだが、
問題となった立風書房版を入手したい、見てみたいというファン心理があるのも確かであり、
私自身、15年以上前だと思うが、偶然これを見つけて帰り、部屋で悦に入ったという記憶がある。
ウルフガイの第一作品集だということと、作者を怒らしめた本だということで、
このことを知っているファンはなかなか手放さないだろうから、
普通の初版本よりはプレミアムがついて入手しづらいかもしれない。

帯つきかどうかは、最初のカバー・デザインかどうかにも通じると思う。
帯そのものは、カバーもそうだけど、読むときには邪魔なものだけど、
当初は当然のように巻かれていたものであり、その惹句や推薦の言葉などは、
作者と編集者の色んな思惑と経過があっての結果(産物)だと思うと、
一番最初の書評のようなものでもあるので、個人的には帯のある方が好きだ。
古本の値段が同じだったならば、私は断然帯びつきを買う。
100円の価格差があったら、作者や作品、そのコピーによって、ちょっと悩むと思うが。
古本を買い、読もうと思ってカバーを外したときに、
カバーと本体との間に帯が挟まっているのを発見することが時たまあるけど、
こんなときは何かちょっと得をしたような気がするのは、私だけだろうか。

今回出品した「高村薫,マークスの山」は、当初の帯だということでプレミアム価格になっています。
アレだけの話題作ですから、“直木賞受賞”と記載された帯ならば、古本屋でもよく見かけますが、
受賞前の帯がついている初版ものは出回り量が少ないようです。
こちらの思惑通り売れますかどうか。

何かで読んだけど、本を買ったら、カバー、帯、函は即捨てるという人もいましたので、
いつか古本屋に売るかもなんていうことを考えなければ、扱い方は様々なんでしょうね。
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(8/12)□■古本あれこれ■□
テーマは2種類:(古本探しと検索エンジン Yahoo!JAPANとGoogle)と(北原文野・作“Pシリーズ”新刊)
★(古本探しと検索エンジン Yahoo!JAPANとGoogle)
我がサイトのアクセス解析関連のページを再読しながら思い出してみると、
ロボット型検索エンジンGoogleの日本語検索がスタートしたのは2000年の後半だったようだ。
そして2001年には、Yahoo!JAPANがロボット型検索エンジンの提携先を“goo”から“Google”に変更している。
“Google”が登場したころ、キーワード検索では画期的な能力を持った検索エンジンだとビックリした記憶がある。
現在に比べるとロボット型検索エンジンの検索能力は格段劣る時代だったので、
新登場の“Google”は頭一つ飛びぬけているように感じた。
私自身は“Google”に出合ったその時以来、古本探しも情報集めも“Google”一本やりだ。
最も有名である検索エンジン・Yahoo!JAPANが、“Google”を提携先に選んだので、
ネット古本屋(2000年開業)として悩むのは、新着リストが“Google”でいかに速く検索されるか、
“Google”の検索結果でいかに上位に表示されるかであり、“Google”のことだけを意識していれば済んだ。
キーワードで古本探しをする人が、もしYahoo!JAPANを利用して検索したとしても、
ネット古本屋としてみると“Google”で検索してくれたのと同じ結果なので、Yahoo!JAPANを特に意識する必要は無かったのだ。
その後、情報の更新頻度のアップなど、“Google”の検索能力は少しずつアップしながら本日に至っている。

ところが先日読んだメルマガの記事に、Yahoo!JAPANが“Google”との提携を打ち切って、
米Yahoo!が開発した独自システム「Yahoo! Search Technology」(YST)を採用したと(2004年5月31日から)。

早速試しにYahoo!JAPANを使って、自サイトにある通販リストを検索してみるが、
Googleでは検索される比較的新しいリストが、Yahoo!JAPANの新システムでは何も検索されず、ガックリときてしまった。
スタートしたばかりだから、まだ軌道に乗っていないのでは…などと慰めてみたけれど、
後日じっくり検証してみたところ、新アドレスでアップしている新着リストの本年分全てが検索されないことが判明。
さらにそれ以前にアップした古本リストのページでも、Yahoo!JAPANの検索対象となっていないものが多数あり、愕然とさせられた。
どういう理由で検索対象と非対象に振り分けられているのか、全く判らない。

Yahoo!JAPANは日本の検索エンジンの中ではダントツの利用実績を誇っているようなので、
“Google”と提携していたことを全く知らずにYahoo!JAPANをずっと利用していた人も多いだろうし、
また新システムに移行して検索能力は格段と落ちてしまったと私は感じているけど、
悪い方へ変わったと特に感じないYahoo!JAPANの利用者も結構いるかもしれず、
ということは、ネット古本屋として最も頼りがいのあった“Google”の利用者が激減するということだ。
その影響が早速現れたのではないかと思うのだが、キーワード検索を利用しての直接の注文が激減している。

さてYahoo!JAPANて新システムで、夢の屋の通販リストがGoogleのように
まんべんなく検索されるようにするためにはどうしたら良いのか、現時点では皆目判らない。
Googleであれば、Google検索の特徴などを解説したページがいくつもあり、URL登録というシステムもあるのだが、
Yahoo!JAPANには、従来からのホームページをディレクトリ登録するための解説があるのみで、
今回導入されたYahoo!JAPANの新システムのついての自らの説明は今のところ皆無でもあるため、
ホームページ開設者として、アクセス・アップの対策を検討する取っ掛かりが何も無いのが実態だ。
検索エンジンに詳しい誰かが新システムを分析・検証して、対策方法を打ち出してくれることに期待するだけ、という情けない状況だ。
どこかに対応策を検討した良いサイトがありましたら、是非教えてください。

かつては、「Googleを制するものは…」なんて思っていたけど…
能力が低い検索エンジンは個人的には無視すれば済むのだけれど、
その利用者が多いとなると、つまり古本を探してのキーワード検索での我がサイトへの来訪者が減ることにつながるとなると、
Yahoo!JAPANを意識しないわけにも行かない。
夢の屋は一応Yahoo!JAPANにサイト登録されているのだが、
登録されていることそのものは、新システムでのキーワード検索への結果反映に何も関係なさそうだ。

あくまで私自身が自分のサイトを対象に色々試してみた限りですけど、
古本探しのキーワード検索にずっとYahoo!JAPANを使っていた人は、
Googleへの転換をしないと、古本屋のリストのチェックに遅れをとりそうです。
まだスタートして2カ月ちょっとのYahoo!JAPAN、
ページ情報のストックを増やすなどの成長途中の段階にあるのかどうか、
今後どう変化していくのか、情報不足で判断不能だけれど。

★(北原文野・作 “Pシリーズ”新刊)
今から2年ちょっと前、このコーナーで復刊のお知らせをした、私のお気に入りSF作品が、
北原文野さんの“Pシリーズ”「夢の果て」(ハヤカワ文庫JA、早川書房、全3巻)でした。
かなりの間、同人誌のみで描かれ続けていた“Pシリーズ”ですが、
本年1月には商業誌『ミステリーボニータ』にて新作Pシリーズの連載が開始されました。
そして来月、それらがついに単行本にまとまって発売予定とのことだ。
「いつまでも あると思うな 新刊よ」
買い逃したら後悔しますゾ。予約しましょう。
●『Pシリーズ〜瞳に映るは銀の月〜妖精計画〜』
北原文野著/秋田書店発行/ボニータコミックスDELUX/、B6サイズ/(書籍扱い) 
定価704円(税込)2004年9/9(木)発売予定

詳細と最新情報は、下記「早春−北原文野個人集−」のサイトで確認願います。
http://tokino.vis.ne.jp/ayano/

北原文野って誰なの? “Pシリーズ”って、「夢の果て」って一体何なのソレ?
という方は下記マンガコラムをどうぞ 
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/doushin-30.html

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(6/18)□■古本あれこれ■□
(最近面白かったマンガ)
マンガの貸本屋を廃業してから、ネット古本屋としての販売のための仕入れを除くと、
自分が読みたくてマンガを購入するということがかなり減った。
ゼニがないという懐具合による面もあるけれど。
そんな中で、今年になって読んで面白かったものを紹介する。

●松森正・画、ひじかた憂峰・作「湯けむりスナイパー」(マンサンコミックス)
現在、第14巻まで出ている。私の最も好きな原作者・狩撫麻礼の別名で間違いないと思われるストーリーだ。
貸本屋を廃業してからも、楽しみにして続巻を買っているのは本作のみだ。
第13巻あたりから、主人公を巡る恋の話題が増えてきたのがちょっと残念。
最近、コンビニ廉価版も出ているのを見つけ、ちょっとびっくりした。
そういえば、狩撫麻礼の別名のひとつと思われる土屋ガロン名義の
「オールド・ボーイ」(峰岸信明・画、双葉社、絶版)が韓国で映画化されるらしい。
映画化がその後どうなったのかと思ってGoogle検索してみたら、
なんと先日のカンヌ国際映画祭でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞したとのことで、驚いてしまった。
既に完成していたということに驚くとともに、
この傑作を、映画にせよ、テレビの長時間ドラマにせよ、
映像化を考える日本人がいなかったということがちょっと淋しいですね。
韓国映画の方が勢いはありそうだけど、やはり日本語で映像を見たかった。
日本の少年が受賞したニュースは結構やっていたけど、「オールド・ボーイ」の話はたった今知ったばかり。
日本の報道機関はちゃんと、原作者・狩撫麻礼を取り上げたのだろうか?
これを機に絶版状態が解除されれば良いのだけど…
先日、やっと2セット目が揃ったので、そのうち通販でアップします。
でも、かつての角川商法じゃないけど、韓国では絶賛発売中なんだろうな。変な話だ。
「オールド・ボーイ」って、どんなマンガという方は、次のコラムをどうぞ
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/doushin-16.html

●福山庸治「臥夢螺館」全2巻(講談社)
カンヌ国際映画祭の話題の後だからじゃないけど、これこそ映像化して欲しい作品だ。
無邪気で凶暴な“天使”たちが人間に遊んでよと人間社会に関わり始めたら…
作品の中のあのネバネバの糸引くような感触とどこからでも湧いてくる天使たち、
あれらが特撮映像のなかでネバつき蠢いていたら、さぞかし気持ちが悪そうだ。
だからこそ見てみたい狂気の世界。

●谷口ジロー「天の鷹」(双葉社)
あの廃刊になった「漫画アクション」に連載されていた作品。
連載当時は飛び飛びでしか読んでいなかったが、やっぱり谷口ジローが一番です。
スゴイというか、同時代に生きていて良かったなというか、
最近は作品に関わらず、重厚なタッチとストーリーには圧倒させられ、ウーンとうなるしかありません。
このレベルの高さを感じたとき、何故か毎回ホッとさせられます。
ずっとマンガのファンでいたからこそ、出合えた作品なんだ、という納得のホッなのだろうか?

●木村直巳・画、不動チカラ・作「殺気ゆえ」全2巻(近代麻雀コミックス、竹書房)
狩撫麻礼のファンサイトに別名らしいとあったので、古本屋を探しやっと入手。
間違いなく狩撫麻礼ですな。でも残念ながらこれも絶版です。
狩撫麻礼の作品は傑作が多いから、ひょっとしたら既に、
これも含めかなりの作品の映画化権が韓国に渡っていたりして…

●吉崎せいむ「金魚屋古書店出納帳」第1〜2巻(少年画報社)
古本屋が舞台でシリーズものというのは初めてなんだと思いますが、
金魚屋はマンガ専門の古本屋です。
毎回、特定のマンガ作品やマンガ家などが取り上げられ、ジーンとさせる好短編にまとまっています。
なんと“セドリ屋”もメインキャラクターとして登場します。
貸本屋を廃業してから、新作の情報収集は全くやっていないけど、案外話題の作品のひとつだったのかも知れません。
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(5/27)□■古本あれこれ■□
(やっぱり半村良は面白い)
SFという言葉を意識したのは、何時だったろうか?
おそらく、定期購読していた学習雑誌「中学生コース(?)」(学研?)に別冊付録としてついていた小説、
文庫判ぐらい大きさの薄い小冊子の小説を読んだ頃だったのではないかと思う。40年近くも昔のこと。
その分野はSFや推理ものが多かったと記憶している。
文量的には中篇ぐらいだが、長編作品のダイジェストもあったかも知れない。
すべてが海外作品の翻訳だったような気もする。

私自身は小さい頃から、笑わせてくれるような莫迦莫迦しい童話や民話、
ほらふき男爵的なハチャメチャ噺、
(もちろん、その当時ハチャメチャ≠ニいう言葉はまだなかったはず)
シンドバット的な荒唐無稽の冒険譚などが好きだった。
また、漫画の月刊雑誌では鉄腕アトムなどSF作品に親しんでいたので、
中学生になった頃に初めて読んだであろうSF小説に違和感は無かった。
ひょっとしたら、学習雑誌の本誌には、星新一のショートショートなんかも載っていたかもしれない。
しかしまだ田舎の中学生、SFマガジンなんていう雑誌の存在は知らなかった。
ちょうどその頃だったと思うが、8歳上の姉と同級生の従姉妹(近所に住んでいた)の部屋には、
フレドリック・ブラウンや火星のカーター将軍のシリーズなど、創元文庫がかなりの冊数並んでいた。
フレドリック・ブラウンのショートショート(SF、推理)は楽しかったけれど、
カーター将軍の冒険譚は、あまり面白くはなく、数巻目で挫折したという記憶がある。
だからというわけではないのだろうが、スペース・オペラものは今でも肌が合わないのか、読む気がしない。
もし従姉妹の本棚に小松左京のショートショートか短編集でも並んでいたら、
後の私の人生も少しは変わっていたのかもしれないけれど、
日本のSF作家の名前が並んでいた記憶はまったく無い。
何故かカタカナの作家名の創元文庫の背しか思い浮かばない、従姉妹の本棚。

小説の面白さに、あらためてハマリ、特定の作家を追いかけ始めたのは、大学に入ってからだった。
出合いの順番は忘れたけれど、短編で、江戸川乱歩、菊池寛、松本清張、小松左京…
長編では、高橋和巳、小松左京、ドストエフスキー、サド…

小松左京の作品に初めて出合ったのは、大学の同級生に連れられていった名前も知らぬ先輩の部屋。
そこにあった短編集が「牙の時代」だった。
「日本沈没」で脚光を浴びる前の小松左京。
面白いぞと言われて借りて帰り、読んで即ハマった。
こんな小説があるのかとオドロキだった。
所謂エンターテイメント風でありながら、強烈なメッセージを持つ小説との初めて出合いだったかも知れない。
この小松左京と既に読んでいた高橋和巳とが同人だったと知ったのは、もっともっと後だったと思う。
出合いについて記憶のある小松左京は別にして、作家AとどうつながってBという作家を読むようになったのか、
30年も経てしまった今、もはや記憶を遡ることもできない時の隔たりがある。

さて、半村良の作品に初めて出合ったのはいったいいつのことだったろうか。
小松左京の作品に出合った後の学生時代だったろうか、
それともサラリーマンになってからだったろうか。

強烈にインパクトがあった作品で、ひょっとしたら最初に読んだ半村作品かもしれないものとして、
嘘部シリーズの第一弾であった「闇の中の系図」がまず想い浮かぶ。
かつそれを雑誌で読んだのではなかったかという記憶もあるので、ネットでキーワード検索してみた。
本作は角川書店から出ていた『野性時代』の創刊号(1974年5月号)に一括掲載されていたとのこと。
西暦1974年は昭和49年。
―昭和時代のことは西暦ではピンとこず、年号に置き換えないと判らない年齢になってしまった。―
昭和49年といえば、よほどのことがないと雑誌など買わない学生時代だから、
比較的珍しかったと思われる大判の小説雑誌の創刊ということと、
嘘部≠ノついての表紙か目次の宣伝文句に魅了されたようなこともあって、奮発して購入したのかもしれない。
半村良≠ニいうと、この嘘部≠ニいう奇想天外な設定を真っ先に思い出すので、
より初期の長編作品である「石の血脈」と「産霊山秘録」は、嘘部に出合ってから後に読んだのだろうと思われる。

何故いま半村良なのかというと、この数年、
未読の半村良作品(時代ものや現代ものがほとんど)を古本屋で見つけては、ポツポツと読んできており、
まだ読んでいないという作品も残り少なくなってきた。
語り口のうまさが半端でないだけに、どの作品も読み始めると止まらなくなり、
やがて今年になってからは、かつて読んだ長編の再読も始まった。
もっとも再読したもののうち「妖星伝」は、完結巻である第7巻がやっと出たときには、
第6巻までのストーリーをほとんど忘れていたので、読まずに(というか読めずに)そのままになっていたので、
今回第1巻からあらためて読み始め、完結巻は先日初めて読んだことになる。
今から20年以上も前に夢中になって読んだ「妖星伝」は、
こんなにも面白いストーリーだったのかと、あらためてビックリさせられた。
またほとんどすっかり話の筋を覚えていないというか忘れていることにも驚いた。
ひょっとしたら、見知らぬ作家の作品にあらたに挑むよりは、
あれは傑作だったという記憶だけが残る、内容は忘れてしまっている評価済みの作品を再読するほうが、
より楽しい時間を過ごせるのかも知れない、という気もした。
この「妖星伝」が、そんな再読行脚のきっかけとなった。
半村良作品だと「石の血脈」、そして嘘部シリーズ全3作、次に「産霊山秘録」へと再読は続いた。
(短編集だと江戸川乱歩は何度も読み返したが、長編でいくつも読み返したのは、半村良が初めてだと思う。)

発行にブランクがあったため完結巻をずっと読んでいなかった「妖星伝」のほかに、
もうひとつずっと気になっていた半村作品に、最長編の「太陽の世界」があった。
「太陽の世界」は、サラリーマン時代、それが目的で前述と同じ雑誌『野性時代』を購入して読んでいたけれど、
単行本1冊分まとめての掲載だったこともあって、毎月連載されたわけでもなく、
「太陽の世界」が掲載されていたら買うということだったので、なかには買い逃しの月があったかも知れず、
またはたして連載の最後まで雑誌を購入して読んでいたのかどうかの記憶もあいまいだった。
よって第何巻まででているのか知らないまま、古本屋に入ると、「太陽の世界」の後ろの方の巻が気にはなっていた。
未読作品をポツポツと読み進めていた昨年、あらためて「太陽の世界」をネット検索してみたら、
未完で全18巻だということと、理由はわからないが角川文庫では途中の第14巻までしか出なかったことが判明した。
その全18巻揃いを今年になって偶然入手できた。
ほとんど話を忘れているようだとは言え、第1巻から読み始めるのもシンドイと思い、
各巻についているあらすじを一応確認した上で、第15巻から取りかかることとした。
読み始めると第18巻までの4冊はアッという間であり、
その面白さゆえに結局引き続き、頭の第1巻から第14巻までも読むこととなった。
至福の数日間だった。

筋をほとんど忘れていたとは云え、初めて読む長編と同じようにワクワクしながら、
寝る間を惜しんで18冊を一気に読ませてしまう面白さ。
「太陽の世界」とはどんなストーリーなのか、第1巻の帯から紹介すると、次のとおり。
「一大文明を生み、突如すべてを謎につつみこんだまま南太平洋の底に姿を消したムー。
そこに生きた2000年、80世代にわたる人々の歴史と人生を、文学史上かつてないスケールで描く大河ロマン」

傑作「妖星伝」で、他の生物を啖らうことでしか命を紡げない生物たちに満ち溢れた“悲惨”な星(妖星)とされた地球。
そんな地球で遥か昔に、他の部族とできるだけ争うまい、
かつ(人間が意図的に手を加えた)道具で自然と関わるのはできるだけ差し控えるべきだ、
というような掟を持つ部族が生きようとしたら、どうなるのか。
また、謎に満ちた古代巨石文明を支えたのかも知れないような超能力を有する部族がいたとしたら、どう生きただろうか。
そんなアム族とモアイ族とが伝説の大陸で出会い、「太陽の世界」の物語は始まる。
密かに伝えられた謎の古文書群を半村良が紐解き紡いだかのように語る、かつて存在した人類の文明創世記。
無宗教の私には、血(DNA)を通じて伝えられているかも知れない無意識の中の神話を、
言葉に変換して語り聴かされてでもいるかのように感じた作品だ。
本作の大きなテーマは“ユートピア”だと思うんだけれど、全80巻の構想が第18巻までで中断してしまったが、
その構想の一部は後の作品「飛雲城伝説」でも描かれていたんだ、と今回再読して感じた。

私が読んだSF作品というのはほんの少しにしか過ぎないが、個人的に10本の作品を選んだら、
半村良作品からは、この「太陽の世界」と「妖星伝」の2本を是非入れたいと思う傑作だ。
ところが、何故か「太陽の世界」の方は絶版状態がずっと続いている。
何故なんでしょうかね。
全80巻の構想が第18巻までで中断、ということが災いして、どの出版社も二の足を踏んでいるのでしょうか。
中断そのものは大変残念なことではあるけれど、各巻ごとに一応区切りのあるストーリーとなっているので、
続きを読みたいという叶わぬ願い(読後感)は皆が持つとは思うけど、
中途半端な未完作品を読まされたという消化しきれない不満・憤りが残るような作品ではない。
良い作品を読めるチャンスを皆に。
絶版時には頼みの図書館の蔵書もかなりボロボロとか…。
是非、復刊を。

なお、「復刊ドットコム」によると
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=4380
本年4月12日付けで、「この本は出版社へ復刊希望のメール連絡済みです」と交渉状況の記載がありますので、
復刊へ向けて大きな一歩を踏み出したようです。
でも、ここからがまた結構長いのが現実…

―長年楽しませていただいている亡き作家、半村良氏に感謝の意を込めて―

●「太陽の世界」を読んでみたいと思った方がいましたら、まず最寄の図書館に問い合わせると良いでしょう。
是非入手したいと思ったら、文庫化されていない第15巻〜第18巻はかなり難しいにしても、
角川文庫版の第14巻までなら、古本屋巡りを重ねると揃えることも可能と思われます。
四六判のラスト4冊については、あまり期待せずに、でも古本屋の棚のチェックだけは忘れずに重ねていたら、
そのうち古本屋の女神が微笑んでくれるかも知れません。
まあ、その頃までに復刊されていることを期待しましょう。
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(2/5)□■古本あれこれ■□
(ご隠居)
落語が元々結構好きなので、その縁もあって、石川英輔さんの江戸生活がらみのエッセイを最近結構読んでいます。
たまたま昨年の暮れに読んだ、石川英輔、田中優子『大江戸ボランティア事情』(講談社文庫)の「ご隠居さんの活躍」という章の中で、
伊能忠敬が取り上げられており、そのパワフルさに興味をそそられて、井上ひさしの小説のことを思い出した。
『四千万歩の男』は、かつて歴史小説の豪華本シリーズとして発売されたものを、
10年以上も前に最初の2冊のみ古本屋で買い求めたが、手付かずのままずっと長い間積読状態にあった。
その後、続編である蝦夷篇が出たことも知ったが、ついに読み始めることはなかった。

五十歳を数年前に通過し、漫然と暮らしている身としては、
寿命がずっと短かった時代に五十歳で隠居してから、本当の人生をスタートさせたような伊能忠敬の生き方に興味を持った。
が持っているはずの函入り本は、どのダンボール箱に入っているのか皆目検討もつかなかったので、文庫版を古本屋で探した。
一巻600ページくらいのが五冊なので結構ボリュームのある小説なのだが、いざ読み始めると、
井上ひさしの語り口のうまさでぐいぐい引っぱられ、年末から年始にかけて一気に読了。
忠敬の隠居生活は金銭面では比較的に裕福だったようだけれど、
こちとらは退職金もない自営業で、何とかこの稼業にしがみついていくしか仕様がなく、
“隠居”なんていう言葉には一生縁がない状態で、またこれという志しがあるわけでもないので、
「それにつけてもカネの欲しさヨ」という、ただ支払いに追われる毎日をずっと送らざるを得ないのかな。

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(2004.1/14)□■古本あれこれ■□
(見知らぬ作品との出合いって不思議です)
マンガに限らず、小説でもそうですけど、
未知の作家の作品を初めて読んでドキっとさせられたとき、
何故今まで知らなかったのかという悔いに似たものを感じながらも、
そのときまで出合えずにいた作家・作品と、ついにたった今、出合えたのだという悦びが溢れてきます。
そしてまとめて一気読めるかも知れない発表済みの作品群を想い、
また今後書いてくれるかも知れぬ作品たちを想像するときは、
本好き人間には堪らない、ワクワク感に満ちた至福のときです。
そんな嬉しいめぐり合わせは数ヶ月に一度あれば良い方だと思う。
「数ヶ月に一度」というのは、良い作品がそんなに少ないということではなく、
これだけの雑誌と単行本が出版されていると、仕事として読むプロの評論家などでもない限り、
発表される多くの作品に触れる時間的余裕がある人はいないだろうという意味でです。

私自身、マンガの貸本屋やっているときは、
最近、人気のあるマンガ作品は何だろうか?、と普段から気にかけていたり、
たまたまマンガ雑誌を読むことがあっても、面白い新人は誰かいないか、などと意識するようにしていたけれど、
貸本屋を廃業してからは、それまでのように、アンテナをはりめぐらせていることはなくなりました。

貸本屋だったから、普通のマンガ好きよりは、色んなものを読んできたとは思うけど、
作品のテーマやマンガ家のタッチによっては、読まず嫌いというのもあって、
名前だけは知っています程度のマンガ家も多いのが現状です。

そんな私が、古本屋で、本の背しか見えない本棚から、未見のマンガ家の本を抜き出して、
それをぱらぱらめくって何となく興味を持ち、なおかつ購入して帰ってじっくり読んだならば、
まさに自分好みの本だった、なんという確率は、どのくらいあるんでしょうか。

今年になって偶然出合った、気に入った一冊が次の本です。
小川隆章「渺々 BYOU-BYOU」1巻(講談社、モ−ニングKCDX)
作者名は全く記憶にないし、題名も「ブヨブヨ」(と目に映りましたが、後で見たら、「びょうびょう」だった)、
変な書名だなと感じながら、何となく手にとったら、
(読ませてくれるレベルのものが)とても少ないと感じている動物もので、
それも取り上げている動物が海洋生物たちという珍しい作品集でした。
数ページを立ち読みしたら、なかなか面白そうな感じだったので、購入し、
帰ってじっくり読んだところ、久々の大当たり作品でした。
後でネットで調べたら、残念ながら、これが第一作品集のようで、単行本はまだこれ一冊だけのようです。

長い人生には、自分の生き方を左右してしまうほどの作品との運命的な出合いがある。

一見偶然にしか見えないけど、結果的に必然だったとしか思えない出合いもある。

人との出会いでもそうだけど、それらを演出しているような何かって、いる(ある)のでしょうか。

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(11/16)□■古本あれこれ■□
(セドリ)
寒くなると古本屋巡りで遠くへ出かけるのが、ちょっと億劫になってきますけど、
売りに行く人も寒さの影響で少しは面倒に感じているかもしれないから、
売り・買いの双方、お互い様なんでしょうかね?
でも、景気が悪い時の方が、蔵書を手放す人は増えそうな気もするので、
こういう時期ほど、まめに古本屋廻りをしなければ、とも感じます。

私が、古本屋巡りやその目録通販で、絶版マンガを積極的に探すようになって20年近くになるけど、
いつも何かないかと古本屋をウロウロしてきた立場としては、
何時何が持ち込まれるかの予測はつかないわけだから、
最近良いものが何もないなと感じている古本屋にしたところで、
たまたまそれらが売れた後に、その店を訪問しているのかも知れず、
この“運”を引き寄せるというか、ほんの少しの時間差で逃しているかも知れないというジレンマを減らすには、
一時期空振りの悪い日ばかりが続いた店だとしても、それにめげずにとにかく定期的に訪問するようにするしかない、
と今さらだけど感じさせられることが最近たて続けにあった。
どんな店であろうと、タイミングさえ良ければ、棚に並べたばかりのお宝に出会うチャンスは十分あるわけだから、
この“こまめに覗く”ということ、
マニアの道も、古本屋のセドリ道も、これに尽きるのかなと思う。

以前にも書いたけど、マンガにプレミアム価格を導入した古本屋は増えているので、
上値はともかく、絶版ものの下値が総じてアップしていることは間違いなく、
つまり競争が激化しているということでもあるから、なおさら“こまめに通う”しかない。

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(10/21)□■古本あれこれ■□
(新刊の取り寄せ)
先月9月21日(日曜)夜のこと、あるマンガを探しに近くの新刊本屋へ行った。
目指す本はやはり、当然のように在庫してはいなかった。
以前一度やったようにセブンイレブンで受け取るネット注文が一番速そうに思えたけど、
今度はサービス期間ではないから、運賃やら手数料やら経費がかかるだろうと思い、
久しぶりに取り寄せ注文をすることにした。
楳図かずお『単行本未収録作品集 妄想の花嫁』(小学館)の予約注文以来の取り寄せかな?
最低10日間はかかると言われたけど、あれから数年経っているのだから、
少しは速くなっているかもしれないと実験も兼ねての注文だった。

10/2木曜夜、本が届いた旨の電話連絡があり、受け取ってきた。
二週間はかからなかったから、昔より少しは速くなったのだろうか。
ただ、新刊だというのに、新古書店と同じ研磨跡があった。
新刊だって返品されたときに小口が汚れていて研磨されることがあるのは知っているけど、
いかにも研磨機にかけましたという、このひどい研磨の横線は何なのだ。
研磨機もそれとは気付かれないように少しは進化して欲しいもんだ。

届いた本は、五十嵐大介『そらトびタマシイ』(講談社)
本作品集については、発売当時、そのうち古本屋で見つかるだろうと思っていたが、
ついに見つからないまま、発売そのものもすっかり忘れていた。
他の本について検索していたら、この本のことが書かれたページがひっかかり、思い出した。
同氏の『はなしっぱなし』の例もあり、気付いたら絶版でネット古本屋でもなかなか見つからないということもあるので、
久々の新刊購入となった次第だ。

それにしても、貸本屋がつぶれてから約1年が経ちました。
何が「それにしても」なのかというと、この本がホントに久々の新刊購入だということだ。
貸本屋廃業以来、この本を買うまでこの一年間、一冊も新刊を買ったことが無かった、
というのには、自分のことでありながら、ちょっと驚いてしまった。
気になる本があったとしても、そのうち古本屋で、と考えてずっと生きてきたから、
それでなくとも“積ん読”用の本が読むペース以上のスピードで増えているのだから、
他の本より先に読まないと、という必然性のある本が特別あるわけでもないので、
何か理由でもない限り、新刊を買う意味はないと感じていたような気もする。
今回は、前例のあるマンガ家だったので、絶版で入手困難になっても…という強迫観念にも似たものが理由のひとつだと思う。

割と本は読んでいる方のつもりの私でさえ、ほとんど全てを古本屋で入手しているのだから、
「考える会」の言い分も、かなりもっともなのかな、とも感じてしまう。

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(9/28)□■古本あれこれ■□
(岩崎こたろう)
SFものや怪奇・ホラーものの短編でイイ味をだしていた好みのマンガ家だが、
発行された作品集は、次回にアップ予定で収録作品を打ち込み中(再読しながら)の下記5冊しか知らない。
「天国からの伝言」「SELVA!」「やみなべのひみつ」「戦争と平和」「家族の絆」(全てA5の大判)
国会図書館を検索してみたけど、最近は伝記などの学習マンガ分野のみのようで、
さらに何故か、作者本来の味であるこれらの短編集が一冊も蔵書されていない。
ついでに作者名でネット検索してみても、それらの作品が全く話題となっていない。
どうしてなんでしょうかね、ちょっと不思議です。
近頃その手の作品を発表していないからなのかなあ。
現役なのに忘れられたマンガ家なんでしょうか。
そういえば札幌の古本屋でも、最近は伝記以外のものは見かけた記憶が無い。
これを書いている時点では、googleで検索してみた限り、ネット古本屋にも短編集が一冊も並んでいないようだ。
よほど出回り数が少なく、且つ貴重な蔵書になっていて手放す人がいない本なのかも…。
街の古本屋で発見し、ビニール袋詰めでなかったら、一作品立ち読みしてみましょう。
「これは!」と感じたら即買いです。

(マンガがきっかけだった)
マンガの「バカボンド」人気に触発されたかに見えるNHK大河ドラマ、「宮本武蔵」。
私が原作である吉川英治「宮本武蔵」に興味を持ったきっかけは、少年マガジンに連載された「空手バカ一代」だった。
マンガ主人公である大山倍達が修行の山ゴモリしたときにわざわざ持ち込み、
山の中で繰り返し読んだという小説が、吉川英治・作「宮本武蔵」だった。
大学へ入った年(1971年)に刊行されたのが深緑色のカバーの講談社文庫で、
その中にこの「宮本武蔵」があり、下宿近くの小さな本屋で購入した記憶がある。
調べて見たら、「空手バカ一代」の連載が始まったのも同年のようだが、
小遣いのほとんどない当時、いったいどこで少年マガジンを読んだのかは、全く記憶に残っていない。
マンガ作品がきっかけとなって原作の小説を読み、そしてハマッたというのはそんなに多くはないと思う。
隆慶一郎「一夢庵風流記」はもっとも強烈な印象の一冊だった。
これと「影武者 家康」ですっかり隆慶一郎の伝奇世界に魅せられてしまった
今考えると、“奇妙な味”グループと言えるかもしれないサキの短編群に関心を持ったのも、
「別冊月刊少年マガジン」(?)で競作連載された、サキ原作の読み切り短編だったかもしれない。

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(9/16)□■古本あれこれ■□
(シャッター無しのネット古本屋)
先日外で飲んで帰宅早々パソコンのスイッチを入れてメールを受信チェックしたら、通販の注文メールが入っていた。
店主が留守であろうが眠っていようが、はたまた何処かで酔っ払っていようが、
ネット古本屋って24時間いつでも商品を陳列し、お客さんを待っているのだということに、
今さらだけど、ちょっとびっくりした。
実店舗の古本屋が、もし24時間店を開けようとしたら、家賃は変わらないにしても、
まず店主一人では身が持たないので他人を雇う人件費が必要となり、
更に照明や冷暖房の光熱費が増えることになる。
そんな余計なゼニをかけて商売になるわけがないから、古本屋で24時間営業しようと考える人はいないはず。
だけど、ネット古本屋って、元々閉めるシャッターもないのだけど、
年中無休でシャッター開けっ放しの商売をしているわけで、そのことによる増加経費がかかっているわけでもない。

ただ実際の注文が入るかどうか、売れるかどうかという一番の問題は、
当然のことながら、品揃えとその価格がどうかという競争力に帰結してしまう。
つまるところ、仕入れが命、ということに尽きるか。

(鳥人間コンテストと宮崎駿アニメ)
毎年一度の琵琶湖での大会が始まった当時から、チェックせずにはいられないテレビ番組となっている鳥人間コンテスト。
ハングライダーに毛が生えた感じで始まった鳥人間も、人力ヘリコプター部門が新設されて飛行距離もぐっと伸び、
ちょっとコミカルの見える人力ヘリコプター部門も昨年からスタートしたので、ますます目が離せなくなりました。

今年は途中まで部屋で、途中からは飲み屋で、そして後日、録画ビデオで視た。
空気に乗って風を捕らえる「空飛ぶ」というあこがれの世界、
50歳を過ぎた今でも時々「夢」の中に現れる「飛ぶ」風景が、小さなテレビ画面だけど、眼前に広がる。

「空飛ぶ」では、インパクトが強烈だった宮崎駿アニメ、
ナウシカの操作する「風を読む飛行艇」、ナウシカとラピュタの大型飛行船、
コナンのちょっと「ずんぐりむっくりな飛行艇」、ルパンとホームズの飛行艇、
紅の豚の飛行機、宅急便の人力プロペラ機、
そして機械を使わないトトロとキキとハクの飛行など。

サラリーマン時代、バイトの女の子に、「コナン」という面白いテレビ・アニメが放映中だと聞いたことがあった。
が当時は、仕事と酒で見ることはなかった。
そして、テレビで初めて見たであろう映画「カリオストロの城」は、集中していないこともあったのか、今ひとつ記憶に残っていない。
ぶっ飛んだのは、圧倒されたのはテレビでやった「ナウシカ」だった。
コナン、ルパンの再放送と宮崎駿という名前を意識して見だしたのは、「ナウシカ」以後のことだった。

空を飛ぶシーンは、古くは国産アニメ第1号「鉄腕アトム」をはじめ、多数のアニメ作品にあったけれど、
そのシーンが宮崎駿アニメほどワクワクさせてくれたことはなかった。
というのも、科学の力が引力と戦っているというイメージだったからだろうか。
ところが、宮崎駿アニメの登場人物たち、特に最初に出会ったナウシカは、空気の流れ、“風”を読む鳥人間だったのだ。

宮崎アニメで定番となっている、「飛行艇」や空飛ぶキャラクターたちだけど、
もしこれらが登場しないストーリーだったならば、こんなに宮崎アニメに夢中になることはなかっただろう。
だから、作品に飛ぶシーンがないと、宮崎さん、どうしたのと思ってしまう。

私の中では宮崎アニメととも歩んできたようにも感じる、鳥人間コンテストの今年は大記録の連続でした。

なお、人力プロペラ機部門、来年は飛行距離だけでなく飛行時間も是非発表して欲しい。
どのくらいの時間飛んでいたのかが録画放送では判りません。大変気にかかります。

■今年2003年の記録
滑空機部門:420.48メートル(新記録)
人力ヘリコプター部門:2.89秒(?)
人力プロペラ機部門:34654.10メートル(新記録)
(琵琶湖大橋という障害物が無かったら記録は一体どこまで伸びたことやら…。来年もまた良い天候を期待しています。)

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□■古本あれこれ■□(8/30)
(積読の連鎖)
読みかけの本がベッドの脇にもたくさん積んである。
その一冊が先日買った「バスター・キートン自伝」で、色んな本に浮気しながら、
思い出したように少しずつ読み進んでいる。
そんなある日、古本屋で「マルクス兄弟のおかしな世界」(中原弓彦ほか・訳)を発見した。
これも途中までは読んだの本なのだが、
引越しのドサクサで、どのダンボールに入っているかなんて、さっぱり検討もつかないし、
そのうち出てくるのを待っていたら何年後になるのかも判らない。
読みたくなったときが必要なときだと思い、二冊目だけど購入した。
この本は映画の第2作目のところでストップしたままだ。

マルクス・ブラザーズって、ネットにはどんな情報があるのかとちょっと気になって検索したら、
70年前のラジオ番組の脚本を訳した「マルクス・ラジオ」なる本のあることが判明。
更に検索したら、某ネット古本屋に在庫があったので早速注文。
「マルクス・ラジオ」は放送の第1回分だけ読んでやっぱり積んである。

共産主義とは関係ないらしい「マルクス」の名を初めて目にしたのは、今から30年以上も前の学生時代、
筒井康隆のエッセイによってだったと思う。
筒井康隆が大きな影響を受けたという「マルクス」は、
あの<マルクス>とは違う人物らしいことぐらいしか当時は判らなかった。
その後、小林信彦「世界の喜劇人」の本の中で、
マルクス兄弟の映画について具体的に語られるのを読み興味をそそられたけど、
映画そのものにはまだまだずっとお目にかかれなかった。
意識して札幌市内のレンタル・ビデオ屋を探して歩いたのは、貸本屋を始める前のプータロー時代のことだった。
サイレントの喜劇映画や漫才・コントなどの笑芸関連のビデオを探していたが、ほとんどの店に置いておらず、
置いてあってもチャップリンの代表作どまりというのが現実だったけど、
マニアックな“笑い”関連に強い小さな店が北大の割と近くにあり、そこでついにマルクス兄弟の映画のビデオを発見した。
当時古本屋巡りをしながら色んなビデオ屋を覗いたけど、
マルクス兄弟の映画が置いてあったのは結局その店のみで、
キートンにもロイドにもついに出合えなかった。

その頃に比べたら、ビデオ・ソフトも安くなっており、またDVDも出ているから、
レンタル屋の品揃えは少しは良くなっているのだろうか?
私が本格的に探した頃から15年以上も経っているけれど、
“マルクス兄弟”の名前が何にせよ登場したことなんて、小林信彦の本以外にほとんど全く記憶がない。
マルクス兄弟の映画を未見の方は是非ビデオ・レンタル屋を探してください。
マニアックな映画なので、マルクス兄弟の作品がビデオ屋にないからといって、
商売として別にマイナスだとは思えないし、置いて無いからといってビデオ屋のランクが低いわけでもないけど。
簡単には見つからないだろうと思うけど、喜劇にうるさい方の期待は裏切らない内容だと確信します。

さて、「マルクス・ラジオ」、いったい何時読み終わることやら…
「マルクス兄弟のおかしな世界」の再読が先かな…

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□■古本あれこれ■□(8/17)
(ルパン三世)
とっくの<中年>おじさんとしては、「ルパン三世」と言えば、アニメではなくモンキー・パンチのマンガがまず浮かぶ。
マンガが連載されていた「週刊漫画アクション」に出合ったのは、高校生の時だ。
当時は既存の週刊少年マンガにちょっと物足りなさを感じていた頃であり、
「漫画アクション」をはじめ「ビッグコミック」「ヤングコミック」などの青年誌が創刊され、
高校生ということで、小遣いに若干余裕もあったのか、それらを結構購入し愛読していた。
少年誌系列だと「別冊月刊少年マガジン」の掲載作品が光っていたという記憶がある。
田舎だったからなのか、「ガロ」や「COM」については、当時は全く知らなかったと思う。
その「漫画アクション」で一番記憶に残っている作品が「ルパン三世」であり、総集編も買っていた記憶がある。
既存のマンガ家にないタッチが新鮮で、ストーリーもワルで粋で色っぽくテンポも良くってヒネリがあった。
雑誌の表紙を飾っていたのも峰子ちゃんが多かったように思う。
懸賞で当たった峰子ちゃんの絵皿でもとってあれば、お宝だったんだろうけど…
この歴史の古い「漫画アクション」も休刊、と新聞に載っていた。
最近で記憶に残っている作品は、谷口ジローの連載くらいと、好み的にはちょっとさびしい内容だった。

マンガなんて所詮趣味分野だから、こう景気が悪いと、
少年マンガ以上に青年マンガ雑誌の淘汰は進むんだろうな。

(新古書店とプレミアム・マンガ)
以前、新古書店のB・Mにプレミアム本コーナーがあったと記したけど、
お盆に行った実家で、同チェーンの新聞チラシに、「なつかしのコミック。高価買取いたします」という広告があるのを見た。
(知らないうちにB・Mも進出していたので、ちょっとびっくり。正月には覗いてみるかな。)
プレミアム本コーナーを発見した札幌の店も広告に載っていたので、フランチャイズ店ではなく、直営店のもののようだ。
その買取り価格の一例:「ひみつのアッコちゃん」虫プロ、新書、全3巻、セット価格1500円、単品価格400円
この価格の広告でプレミアム本が集まるとは思わないけど、(また一体いくらで売るつもりなのかも不明だけど)
この広告を見た無知な子どもが親父のお宝マンガをこっそり持ち出して売り払うような事故が起きたら、大悲劇ですね。
そんなお父さんの涙物語はもういくつも生まれているかな。

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□■古本あれこれ■□(8/3)
(古本の購入の仕方)
古本屋で買った本に「一誠堂」という懐かしいシールが貼ってあった。
「一誠堂」は札幌の4丁目プラザの地下にかつてあった古本屋で、
学生時代、大学近くの古本屋には無かった軽い本を探してよく利用していた。
知らぬ内に閉店してしまったが、いったい何時まであったのかとちょっと気にかかり、
キーワード検索してみたら、次の発言のあるページにたどりついた。

●高木庄治さん(札幌古書籍商組合理事長、弘南堂書店店主)
「店に来てくださる学生さんなどを見ていますと、何々の本はないかと聞き、「ない」と答えると、
そのまま帰ってしまいます。自分で本を探すということをしない人が多くなっているのです。
本を自分で探して買い、自分の知識欲を本によって満たそうとする意欲が薄れているのかもしれません。」
http://www.iword.co.jp/iword/k95_10.html

これを読んでふと思ったのが、ネットでのキーワード検索のことだ。
ネットで目当ての古本を探すときは、書名や著者名を入力してのキーワード検索をすることになる。
一般的には検索でヒットした中から価格の安い古本屋を見つけて注文することになる。
私自身の場合、該当する古本屋のページを開いたとき、探していた目的の本へまっしぐらで、
その前後や付近に載っている他の本にはあんまり眼が行っていないような気がする。
ネット古本屋の古本リストって、実店舗の棚のように関連本が並んでいることが普通なんだけど、
キーワード検索って、他の本に端から関心のない<一本釣り>のような気がする。
古本屋の棚を順次眺める時のような、“面白そうな本、何かないかな”という構えがネットの場合には弱いのでは…。

そんなことを考えた数日後、たまたまニュースで話題になっていたデパートの古本市へ行ってきた。
古本市には貸本屋商売にかげりを感じた頃から行っておらず、5年ぶりくらいであり、なおかつ古本市では初めてのデパートだった。
ふつう古本屋の棚は、マンガ・一般書、文庫・新書などサイズ別、著者名順・出版社別、小説・エッセイなどの分野別等々、
本が探しやすいように区分されている。
ところが久々の古本市では、100円均一・300円均一、マンガ・一般書、文庫・新書などに区分されているものの
著者名順でなく、出版社別でも分野別でもなく、正に雑多に並んでいた。
隣にどんな本が並んでいるのか、次に何が眼に飛び込んで来るのか、予測がつかない雑然さだ。
タレント本の横に、ドストエフスキーの評論が、その横にマンガ家入門の本、推理、映画、江戸時代関連、エトセトラという具合に、
少しは整理されている古本屋の棚より、何が出てくるのかわからない“びっくり箱”的な<本発見>の面白さに満ちていました。
ネットの一本釣りには、このような、特に探していたわけでない意外な本との出合いという楽しさがないような気がする。
先に引用した高木さんの発言にある「自分で本を探すということをしない人が多くなっているのです。」というのが、
本と偶然出合う面白みが少ないネット古本屋での一本釣りにも通じると感じた。

実店舗の古本屋に入店した場合には、関心分野の棚は一通り眼を通す。
見知らぬどんな本が並んでいるのか、また新たに何が入荷したのか判らないから。
私の場合、本探しのメインの場はあくまで実際の古本屋であり、
見つからなくて音をあげたときに利用するのがネット古本屋だ。
それだから、ネットでの一本釣りは何ら不思議ではない普通の行為だ。
関連図書を探すつもりならば、また別の検索の仕方もあるのだから。

身近に古本屋の無い人だったならば、目的の本をキーワード検索する以外に、
何となく或るネット古本屋のリスト(棚)の中を古本屋の通路を歩くようにウロウロ徘徊して、
偶然見つけた本を面白そうだと注文しているのかも知れない。
そういう楽しさのある、散策してもらえる古本リストづくりをしたいものだが…。

そうそう、結局「一誠堂」がいつまで営業していたのかはわからずじまいだった。

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□■古本あれこれ■□(7/24)
前回の話題に関連し
(本の万引き)
経済産業省が昨年実施して発表した「書店における万引きに関するアンケート結果」によると、
万引き事例1件あたりの被害金額平均 9千円
万引き犯の年齢別では、中学生と高校生とがほぼ同数で合計62%
1店当たりの書店の1年間の被害推定額は平均 211万円
詳細は下記PDF形式ファイル
http://www.meti.go.jp/policy/media_contents/downloadfiles/1024Manbiki_gaiyou.pdf

上はあくまで新刊書店の回答。
古本屋は警察の管轄だから、古本屋での万引き実態を調べた国の調査は恐らく無いだろうな…
組合ならひょっとしてやったことがあるかも?いや無い…だろうな!

先日みた全国ニュースの万引き特集でのこと。
書店では無く、駄菓子を中心に文房具も少し、外には単純な玩具自販機やゲーム機が置いてあるような小さな店。
60代半ばに近いようなオバサンがひとりでやっている間口も奥行きもないホント小さな店。
5円10円といった単価が多そうな、学校帰りの小中学生の溜まり場となってきたような下町の店でしたけど、
万引き被害のため何時店をたたむ事になるかわからない、と話す情けなさそうなオバサンの顔。
父親も母親も通ったかもしれない思い出あるなじみの駄菓子が、その子供たちの万引きで消えていく。

親が近所の大人が先生が…。そして世の中の全部の大人にも責任の一端があるのかも。
長崎の事件で感じさせられたやるせなさにも通じる。

(EasySeekへの出品)
夢の屋の場合、古本の新リストは本メルマガにまず掲載してから自サイトでアップし、
その後EasySeek(自動的に楽天中古市場)にも出品するという方法をとっている。
自サイトのみで一定の売り上げがあるのであれば、
何も手数料を払ってEasySeekのような有料ショッピングサイトに出品する必要はないのだが、
我がサイトにたどりついて直接注文してくれる人が現状のように少ない状況では、
手数料をとられるのは、ちょっとシャクだと思いながらも、やむを得ないことだと思っていた。
「シャクだ」というのは、大企業に上前をはねられているとちょっと感じてしまうからか。
支店の家賃だ、と思ってみてもまだ何かすっきりしないものが残ってしまう。

先日ふと思いついたのだが、EasySeekという有料ショッピングサイトに手数料をと考えるからちょっとシャクなんで、
優秀で利用者の多いEasySeekという有料検索エンジンに対し、
販売実績に応じて手数料を払っているのだと考えると、
古本屋として当然必要な出費なんだと思えてきて、搾取されている感じが少し薄らいだ。
将来いつか、更新頻度の高い優秀なロボット型検索エンジンが登場し、
なおかつそれを利用して古本探しをする人がもっと増えるようにならない限り、
現状のままで止むを得ないのかなとあらためて感じた次第だ。
(長い調整期間に入って一時期不安定だった頼みのgoogleもやっと安定したようだけど、
どう変化したのかはまだ不明。)

(最近の一押し文庫)
谷口雅男「ふるほん文庫やさんの奇跡」(新潮OH!文庫)定価(本体)848円
谷口氏ほどバイタリティがありアイデアマンであったら、まだ貸本屋を続けていたかもしれない。
(本書の感想は●読書日記2003.7/23分)

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□■古本あれこれ■□2003.6/23
(万引き)
本日発行のメルマガ「コミックサーフ」で次の記事が紹介されていました。
「<万引被害店廃業>対処わからない 悩みの末15日で廃業」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030616-00000079-mai-soci
古本屋が万引き犯を捕まえて警官を呼んだらその犯人が逃走し、そのとき踏切で電車に轢かれて死んじゃったという、
事件が今年一月に川崎市でありました。その古本屋さんが結局廃業したという、後日談ニュースです。
万引きは古本屋に限らず新刊本屋でも日常的に起きていることであり、
万引き犯が事故死するということさえなければ、取り上げられるはずのなかった事件です。
ヒトが一人死んだということで、変な脚光を浴びてしまった小さな古本屋さん。
元々悪いのは死んだ万引き犯人なのですが、事件後その古本屋を誹謗中傷する人もいたようです。
経過も色々あって結局営業を再開したという記事を後日読み、それで忘れてしまっていた事件でした。
しかし、当事者の古本屋さんにとっては過去の事件ではなかったようです。
記事によると「営業再開後まもなく、(中略)万引きする姿を2回、目撃した。しかし、」とあり、
自問する毎日だったのかも知れません。そして、廃業の道を選択した。

私も貸本屋時代、時々万引きされていました。
会員制の貸本屋なので、万引きのプロも他の古本屋よりは入店しづらかったと思います。
だから、古本屋に比べたら被害は少なかった方でしょう。
後にその対策として鏡も設置しましたけど、防止グッズを一応つけたようなものでした。
仕入れたその日に新刊の新巻、絶版ものの長編の最終巻、サンコミのようなプレミアム本、
まだ連載中だった「ドラゴン・ボール」40冊近くが数回に分けて根こそぎ…など
あいにく現行犯を見つけたことはありませんでしたけど、
某古本屋で当店の屋号の紙シール剥がし跡が揃って並んでいる「ドラゴン・ボール」の背をみたときは、さすがにビックリしました。
「まず読んで、そして売って、二度おいしい」万引きなのでしょうかね。
当店の被害の場合は、マニアの欠けた巻探しが多かったように感じます。

憎き万引き犯人が死んで、後に一軒の古本屋を殺して(廃業させて)しまった事件。
となりましたが、「万引き犯、車道に逃げ、交通事故で重傷」ぐらいは今後も起こりそう…

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□■古本あれこれ■□2003.6/14
(新古書店にプレミアム・コーナーが)
先日初めて行ったB・M(札幌ではB・Oに次いで軒数が多い)の或る店に、
冊数は少なかったけど、マンガのプレミアム・コーナーがあったので、ちょっとビックリしました。
他の都市のことは知りませんけど、札幌のB・Mでは初めての試みではないかと思います。
十分な知識があっての商品選別と価格設定とは思えませんでしたけど、その店独自の試みなのでしょう。
はたして少しは売れているのかどうか、はたまたそのまま定着するのかどうか?
そのうちB・Oでも試みるところが出てくるかも…。
ただ、こればっかりは人気マンガや話題の本のようにはマニュアル化できないだろうから、
この分野に強い店員がいるかどうかが分かれ目か。
プレミアムものとして高く売るのならば、仕入れ値もそれ相応にする必要があるから、簡単には出来ないだろうけど。
B・Oの場合、全国共通のような店内CM放送もあるから、プレミアムそのものがそぐわないとは思うけれど。
ただ、本の状態が悪いというだけで価値のある本がゴミ処理されるケースは減るだろうから、
本にとっては、「新古書店にプレミアム・コーナー」というのは一面良いことかもしれない。

以前一度だけ行ったことがあるF市場には、もっとまともなマンガのプレミアム・コーナーがあったけど、
そうそう売れるわけがない、というのが印象だった。
どこの古本屋も店頭では売れなくて、ネット古本屋に参入している時代なのですから。

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□■古本あれこれ■□2003.6/4
貸本屋と古本屋、そして新古書店
貸本屋を始める前は、一時期プータローだったので、ちょくちょく一日乗車券(定額で市内乗り放題の券)で、
地下鉄沿線の、たまにはバスにも乗って、札幌市内の古本屋巡りをしていた。
職業別電話帳の古本屋欄を切り取って持ち、市内のの95パーセントは最低一回は廻ったと思う。
よく訪れたのは、札幌が発祥の地と言われる二分の一方式(全て定価の半額)の古本屋が多かったが、
絶版マンガや落語など笑芸関係、古い雑誌などについては、
昔ながらの古本屋も時々覗いてチェックしていた。
当時は、プレミアム価格を設定している古マンガに強い古本屋を除くと、
二分の一方式のチェーン・グループがいくつもあったので、
それに準じた価格設定の古本屋が多かったように思う。
なお、昔ながらの古本屋(古書籍組合加盟店)には100円均一などのコーナーもあり、
「これが100円なの!?」という、そこそこの掘り出し物(自分にとっては)との遭遇・発見の楽しみもあった。
その後、貸本屋を始めてからも、趣味の購入から仕事の仕入れには変わったけれど、
相変わらず古本屋巡りは続いていた。
貸本屋で喰えるようになるまでは、定休日が無かったので、
火曜日(隣りの食堂の定休日)は午後4時開店にして、朝から古本屋を廻って、その後店を開けていたし、
貸本屋商売が軌道に乗ってからは毎週、定休日の火曜には一日乗車券で、
閉店時刻が30分早い日曜日にも、やはり地下鉄で閉店間近の二分の一古本屋を覗いていた。

均一コーナーでの一番うれしい記憶は、昔から探していたサド関連本を200円コーナーで発見したことだ。
学生時代に一度だけ見かけたのだが、関連本がひもで十字結びされたセット売りだったので涙を飲んだ本だった。
こういう時は続くもので、時々覗いていた古本屋の棚に値段は高かったけど、同じ本を発見しびっくりした。
この逆もあって、ちょっと高いけど、やっと見つけたからと購入したら、大して期間が経っていないのに、
格段と安い価格でその本に再度出合うことも。
その場合、ダブリだけど、ちょっとシャクだということで、購入したこともある。
その当時に比べたら、インターネットがある分、価格はさておき、格段と本は探しやすくなっている。
何せかつては古本屋歩き以外には、印刷物のカタログ通販しか無かったのだから。

貸本屋を開店して何年か経った頃、新聞の経済欄やテレビのニュースで、
何度か「ブック・オフ」という大型古本屋の名を目(耳)にするようになった。
(まだ、「新古書店」という言い方は無かったと思う。)
札幌に(ということは北海道にか)そのブック・オフが初上陸したのは、いつのことだったのだろうか?
ついに札幌にも開店したということを知って、
交通的には不便な場所(伏古店)だったが、地下鉄とバスを乗り継ぎ、行って見た。
今から10年近くは前のことになるのだろうか。
こっちは貸本屋商売だから人気マンガの蔵書はそこそこあったので、
100円コーナーには格別の魅力は無く、
また二分の一方式に慣れていたので、他のマンガは逆にちょっと高いなと感じたぐらいで、
バスに乗り継いでまで遠出する古本屋ではないなとの思ったが第一印象だった。
ただ札幌の既存の古本屋に比べると店内の照明は明るく小ぎれいで、空間はゆったりとはしていた。
このときは、このグループが、新興の新古書店が、軌道に乗ったかに思えた貸本屋商売の脅威につながるとは夢にも思わなかった。
マスコミで有名な店が札幌にもやっとできたか、ぐらいの感想だった。
そのブック・オフが、当店の会員の三分の一を閉めていた学生会員のほとんどが在籍する北大との間に開店した。
間というよりは、ずっと北大寄りに。1997年のことだったと思う。

その前から、大型のマンガ喫茶が大通りや札幌駅近く、そして郊外に開店していたが、
マンガ喫茶とマンガ貸本屋とは棲み分けできる業種だと思っていたから、格別脅威に感じたことがなかったし、
当店の会員にもじっくり読むなら貸本だよと言ってくれる人もおり、
たまにはマンガ喫茶で途中まで読んだけど、続きを一気に読みたいと当店を訪れる人もおり、
近くにマンガ喫茶が開店しても、蔵書数では格段とこっちが有利なわけで、
増えるマンガ喫茶を気にしたことはなかったけれど、近くに出来たブック・オフはちょっと別だった。
ちょっと気になって視察してみると、案の定、学生と思われる立読みの若い人が通路を塞ぐように立錐していた。
その立読みに対しては何らの注意もなく、その上、冷暖房は完備。
そして、貸本屋への学生会員の来店は減り、その新規入会も段々壊滅的になってきた。
そのうち市内に店数も増えて、「立ち読みは自由」とテープによる店内放送まで流れ始めました。
この放送を初めて聞いたときには、貸本屋稼業ももうダメだなと感じた。
今でも思うけど、タダに対抗できる商法はないと。
また、当初は大して気にしなかったブック・オフの100円コーナーだったが、
在庫が多いのか、売れないからなのか、100円コーナーの品揃えが段々充実してきたのも脅威となった。

よって、それまで考えたことのなかった蔵書を手放す、というネット古本屋の準備を少しずつ始めることとなった。
悪いことは続くもので、たった100メートル南に今度は「ブック・マーケット」が開店することに。
開店したブック・マーケットはブック・オフに比べ売値が高かった。
売値が高いということは、仕入れ値が良いから、その分、人気マンガと新刊が入荷し易く、しかも売れにくいということで、
立ち読み専門にとっては垂涎の、品揃えがまあ良い店ということになり、
当店も段々閉店を想定した商売に変換せざるを得なくなった。
続巻の仕入れを減らす、だから客は減る、そして仕入れを更に減らさざるを得ないという悪循環に…。

ブック・オフが次々と開店した頃、立ち読みだらけで、とても商売になってはいないように見えるものだから、
(広い店舗の家賃、明るい照明の電気代、冷暖房費、そして必要以上に多く見えた店員の人件費では、
利益がでるはずは無いと思えた。逆に毎月赤字ではないのかと。)
その頃、貸本屋の同業者(2000年に廃業)とよくウワサしていたのは、
ブック・オフも上場したら加盟店も持ち株を売り抜けてオサラバだよ、それまでの辛抱さ。
やっているのは不動産屋で遊休店舗を利用しているから、家賃は実質ゼロだから出来るのさ、
フランチャイズ商法によくある、本社だけは儲かるシステムさ、
などという根も葉もないネタミ・ウラミの入り混じった噂話。
本部は、フランチャイズの加盟料や毎月の上納金は別にしても、
新規開店の店に、過剰在庫の余った本をそれなりの価格でまとめて供給するということだけで、
かなりのうまみのある商売になっていそうに見えました。
しかし、なかなか上場したという話は聞こえてこず、
けれど、どう考えても、あれだけの必要経費を毎月払えるわけだから、
体力的には、こちらが敵うはずもないなと感じていました。
そして、当店も結局、閉店と相成ったわけです。
新古書店の経営に対するこれらのイメージは、所詮愚痴と妬みかもしれないけど、
当たらずといえども遠からずだろうと思っていた。

そして先日、読んだのが次の本だ。
小田光雄、河野高孝、田村和典「超激震鼎談・出版に未来はあるかV― 古本屋サバイバル」(編書房)
(目次)第1章.古本屋の現在/第2章.なぜ古本屋になったのか/第3章.古本屋の七十年代から九十年代/
第4章.古本屋と新古本産業/第5章.古本屋の行方
お二人が古本屋なので、古本屋の過去、現在、未来の話も面白いのだけど、
こちとら、やはり新古書店たちに廃業に追い込まれたと感じている元貸本屋なものだから、
「敵(かたき)だ」と思っていた新古書店の話題が今でも一番気にかかるし、興味がある。
(貸本屋衰退の、当店の閉店の原因・背景は色々あったにしても、最大の引き金は新古書店だったと現在でも思っている。
しかしながら、その新古書店が、今やネット古本屋としての仕入れ先になっているから、世の中って皮肉です。)
本書での新古書店についての分析が、「やはりそうだったのか」と思わせる内容だった。
鼎談のメンバーの小田光雄氏は以前「ブックオフと出版業界 ブックオフ・ビジネスの実像」(ぱる出版)を書いており、
ブックオフについてはかなり調べているということと、
古本屋のお二人にしても、ブックオフの進出・興隆を目のあたりにして、
脅威を感じているだけに、古本屋としても古書籍組合メンバーとしてもその背景を分析しているようで、
いわゆる「新古書店」について書かれた本(私が多数読んでいる訳じゃないけど)や評論の中では、
一番鋭いと思わせる面白い内容だった。

推理小説ではないのだから、本書の内容(新古書店の商法など)を具体的に書いても問題はないのかも知れないが、
ネタをばらして本の売れ行きに影響があっても困るので、関心のあるひとは是非購入して読んでください。
古本屋の人は、敵を知れば活路も拓けるかもしれません。
また古本屋についての話題が好きな人は、古本屋の新しい動き、試みを感じるでしょう。
「出版に未来はあるか」は「古本屋に未来はあるか」に即通じますけど、
私の大好きな古本屋は今後どう変化していくのでしょうか。
個々の古本屋がそれぞれ、そして私自身はネット古本屋として模索していくしかないでしょう。
そして、その命運の手綱の一つを握っているのは、古本屋を利用している本好きのあなた方なのです。

この本の編集者であり出版社代表(社員はご本人のみのようです)でもある國岡氏は、
直接の注文が一番うれしいようですので、どうせ購入するなら是非下記出版社から産直で。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~k-kuni/ 編書房

これら新古書店が陸続と開店し、札幌市内でいったい何軒の古本屋が閉店に追い込まれたか判らないほどだが、
新古書店といえども商売であるから、これだけ新古書店が増えると、
個々の経営方針やその立地条件などによっては、仕入れと売り上げの良くない店舗もあるようで、
廃業や移転した店舗もポツリポツリ出てきているようだ。
はたして「新古書店に未来はあるのか?」
個々のフランチャイズ経営者のお手並み拝見です。

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□■古本あれこれ■□2003.5/25
(宝の山かも、文庫と新書の古本)
活字中毒者の一人として、少しは読んできたつもりでいる本ですけれども、
所詮過去に出合う機会があったかどうかですから、当然のことながら、
全く見知らぬ、またはほとんど読んでいない作家がたくさんいます。
今回、通販リストに一冊のみ掲載した「式貴士」さん、
個人的には、これほどフィットするSF作家はいないのですが、
まだ出合っていない人にとっては、「いったい誰なの」、でしかありません。
「式貴士」さんについて興味がある方は、若干の紹介をリンク集に書き込みましたので、
下記ページの最下段をご覧願います。
なお、式貴士ファンの方は、復刊ドットコムへのリンクもありますので、投票にご協力を。
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/link-fan.html

さて、本題です(いつも、前置きが長い)。
小田光雄「文庫、新書の海を泳ぐ パーパーバック・クロール」(編書房)
オンライン書店bk1のホームページに掲載されていたものが約半分なので、
bk1で読んだことがあるという人があるかも知れません。
私も一ヶ月ほど前にbk1で読み、興味をそそられた本がいくつかあって、
古本屋めぐりの都度、文庫コーナーと新書コーナーをチェックしていました。
この一カ月間でやっと見つけたのが、次の三冊です。
当然というか、全て別の日に別々の古本屋で見つけました。
結城昌治「暗い落日」(角川文庫) 私立探偵・真木シリーズの一冊
梶山季之「李朝残影」(講談社文庫) 初期作品集で、表題作は直木賞候補作とのこと
藤本泉「呪いの聖域」(ノン・ノベル、祥伝社) 伝奇推理もの
積んどく本が増えるばかりで、いつ読み始めれるのかわかりませんけど、
これが新たな出合いのスタートになるかも知れないと思うと楽しみです。
「文庫、新書の海を泳ぐ」は、本の海原で出合いを演出してくれる本の一冊です。
ちなみに帯の惹句は、「ペーパーバックは宝の海かゴミの山か?」。
お求めは編書房で。(夢の屋は編書房の私的応援団です。)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~k-kuni/
次回は、「超激震鼎談・出版に未来はあるか?― 古本屋サバイバル」(編書房)を読んで、
「新古書店」について色々考えたので、その話題を取り上げます。
早くに書き始めたのですが、ちょっと長くなりそうなので、次回送りとします。

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□■古本あれこれ■□2003.5/18
(売切の表示か削除か)
ネット古本屋は、注文が入ったときに、通販リストでどうするか?
何もせずに、そのまま放って置く、という古本屋は問題外ですけど、
かつて古本屋関連サイトの掲示板で話題になったこともあり、
また飲み友達の古本屋に聞いたこともありますが、大きく分けて2種類あるようです。
注文があった時点で即削除する人もあり、
一方、売切れ(予約とする古本屋もあり)の表示をするという私のようなタイプもいます。
私は当初、商品番号と価格に削除線を引いていましたが、
googleなどの検索の場合、削除線が表示されないということに気づいたので、
それ以来、削除線に加え、価格欄に「SOLD」、後に「売切」の文字を表示するようにしました。

しかし、ロボット検索エンジンによっては、検索した商品のあるページのタイトル名のみを表示するものもあり、
その本が在庫しているかどうかは最終的には、そのページへ飛んで確認するしかありません。
このことはgoogleのように、検索したキーワードの前後の内容を表示してくれる検索エンジンであっても同様で、
検索エンジンにストックされている情報が例え更新されたとしても、
それは日々更新されているかもしれない本来ページの最新情報ではないが故に、
サイトのそのページへ行ったら、売切だったということは起こりえます。

「売切」の表示をしたまま、通販リストに残っていることそのものが問題だという人もいます。
自ら古本関連で検索サービスを提供している人は、端的に言うと「削除」が当然だと考えているようです。
そのサイトの検索サービスを利用するひとは、あくまで販売中の古本を探しているのですから、
売切の商品のページが検索されるということは、そのサイトのサービスを一部否定することにもつながりますから、
当然の考え方だと私も一面では理解しております。

しかし、キーワードで検索する人は、購入する本を探している人ばかりではありません。
情報を探している人もいます。
或る作家がどんな著作を書いているのか、短編集には何が収録されているのか、
単行本に未収録のもので雑誌に掲載されたもので何かないか、など様々だと思います。

もし、その作家について情報のしっかりしたファンサイトがあれば、そのサイトでかなり判明する場合もあります。
また、特定の雑誌について、収録内容の詳細をアップしているというサイトもあります。
ただ、それはあくまで特定の作家や雑誌についてであり、
これだけ情報があふれているかに見えるネット世界ですが、
いざ何かを調べようとした場合、その情報の少なさにビックリすることも多々あります。
前述のファンサイトも、いつまでもあるとは限りません。
折角の貴重な作品情報がネットから消えてしまい、保存して置けばよかったと悔やんだこともあります。

私は、古本屋が通販リストとして打ち込み且つ売切れとなった商品の中にも、
情報を探している人にとっては有益な情報もあるかも知れないと考えております。
よって、「販売済リスト」のページをわざわざ作り、情報ページとして残しております。
もっとも、最近は売切れ本の整理まではちょっと手が回りかねていますけど、
一部で不評を買おうと「販売済リスト」の掲示は続けるつもりでいます。
少しは悩みながらも「販売済リスト」のアップを継続したいと思っていますけど、
皆さんは「売切の表示か削除か」については、どのように考えられますか。
ご意見などがありましたら、掲示板にでもお寄せください。
http://www67.tcup.com/6717/yumenoya.html(注・掲示板は閉鎖しました)

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□■古本あれこれ■□2003.5/11
(小さな個人出版社)
前回、編書房の「超激辛爆笑鼎談 「出版」に未来はあるか?」という本について触れ、
新刊書店における委託販売について記しましたが、メールが一通と掲示板への書き込みが一件ありました。
・「「委託制」については書店側、出版社側、取次ぎ側のいろいろな思惑や都合があり、
一概に迷惑だとか無駄なこととかいえないのが現状だと思います。
紀伊国屋などの大手書店は売れ筋の本を大量に確保できる代わり、弱小書店ではほとんど売れないような本も結構さばいてやっているのです。
まあ持ちつ持たれつといったところでしょうか。」(メール)
・「「新刊配本」で一番苦しかったのは消費税導入時のとき。
カバーをすりなおす手間と経費を省く為だと思うんですが、直前にものすごい量の新刊「委託」の本が「勝手」に送られてきて、
その返品に苦労しました。」(掲示板)

その立場や経営規模などによって様々なケースがありそうなので、
新刊をほとんど買わない第三者の私が、一方的に「変なシステム」だと決めつけてはいけないのかも。

前号のメルマガを発行したあと、一盃やりながら、検索でウロウロしていましたら、
上記の本の出版社サイト「編書房(あむしょぼう)」さんにたどりつきました。
(訂正:前号の古本あれこれを確認したら、編書房さんへのリンクをすでに掲載してありました。メルマガの編集途中ということで、サイト内をじっくり読んだのが、メルマガ発行後だったようです。)
小さな個人経営の出版社のようで、
そこのお知らせコーナーにあった「編集雑記」が、率直というか、赤裸々な心情吐露で格別面白く
古本屋から出版社へのリンクはご迷惑かなと思いましたが、翌日早速リンク集に加えて連絡し、事後承諾を得ました。
その「編集雑記」を読むと、想像していた以上に新刊が売れていないようで、
とりわけ「編書房」さんのような小さな出版社は苦労が絶えないようです。

前著で大きく取り上げられていた出版社は、中央公論社と三一書房という老舗で、
それにによると、編集も経営もかなり大雑把という出版社の印象だったので、
前号の「自転車操業が可能」なんていう書き方になりましたけど、
小さな出版社が本を出すというのはホント大変なことのようです。

編書房さんの「編集雑記」、是非ご一読を。
前著以外にも、「出版クラッシュ!?」「消える本、残る本」「古本屋サバイバル」「図書館逍遥」
「文庫、新書の海を泳ぐ」など、本好きの興味をそそる本を出版しています。
お気に召す本がありましたら、直接編書房さんへご注文をお願いします。
今まで出版社サイトなんて、その中をじっくり見たことが無かったのですが、
たまたま「編集雑記」を読んだのが縁ですけど、応援したくなりましたので、ご紹介します。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~k-kuni/

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□■古本あれこれ■□2003.5/4
今回は古本ではなく、新刊のお話です。
(新刊書店と委託販売)
恥ずかしい話ながら、新刊書店の「委託制」というのを、ずっと誤解しておりました。
岩波書店などは買取り方式で返品ができないというのは知っていましたが、
委託制というのは、売れた実績に応じて代金を支払う方式だと、ずっと思い込んでいたのです。
普通の商品で委託販売と言ったら、正に字句通りで、「是非あなたの店で扱ってください。
その代わり、代金は売れた実績に応じて支払ってくださればよろしいですから。」というものだと思います。
ところが、本の出版界は特殊なんですね。
先日、井家上隆幸、永江朗、安原顕 「超激辛爆笑鼎談 「出版」に未来はあるか?」(編書房 )を読むまで、
私は知りませんでした。

新刊書店は入荷した分の代金をいったん支払い、
そして一定期間内に返品した場合、その代金が返金されるというシステムで、
これを出版界では委託と言っているとのことです。
つまり、出版社は「再販制」もあって、
本を作り続ける限り、取次ぎを通じて新刊書店に配本されるので、
目先だけの入金は保証され、自転車操業が可能になると。
本当の売り上げは、委託期間が終わって返品数を確認しないと判明しないけれど。
「本が売れない」と言われる背景には、業界のこんなシステムもあったんですね。

どうでもいい本をどんどん配本される新刊書店こそ、いい迷惑ですな。
不要の本も勝手に配本され、その代金を請求されているわけですから。
土日以外は毎日配本のダンボールが本屋に届いているのだと思いますが、
なかには梱包を解いたと思ったら即返品という運命の本もあるのでしょうけど、
「こんなのは要らないのに」という本に割かれている返品作業の時間がもったいない。

個性的な本屋さんは、独自に仕入れるなど、勉強と工夫をしているそうですけど。

(思い込みによる誤解というのは怖いことですので、
本業界に詳しい方、何か間違いがあるようでしたら、是非ご指摘願います。)

(5/6追記)次のようなご指摘メール(抜粋)をいただきました。詳細なメール、ありがとうございます。
「「委託制」については書店側、出版社側、取次ぎ側のいろいろな思惑や都合があり、一概に迷惑だとか無駄なこととかいえないのが現状だと思います。
紀伊国屋などの大手書店は売れ筋の本を大量に確保できる代わり、弱小書店ではほとんど売れないような本も結構さばいてやっているのです。
まあ持ちつ持たれつといったところでしょうか。」

「超激辛爆笑鼎談 「出版」に未来はあるか?」に興味のある方は、編書房さんの下記サイトへどうぞ
本にまつわる面白そうな本が色々あります。また、お知らせコーナーにある「編集雑記」がとりわけ面白いです。
編書房あむしょぼう

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□■古本あれこれ■□2003.4/27
古本探しとgoogleツールバー)注:googleツールバーの愛用者の方は読む必要がありません
私がネットを始めたのは、1997年のことで、始めた当時は、検索と言えばヤフーしか知らなかったから、
何か調べるとなったらヤフーばかり使っていました。
その後、検索エンジンには、サイトの登録型検索と、個別ページのロボット検索のあることを知り、
具体的なことで調べたいときは、ロボット型をというように、使い分けるようになりました。
自分のサイトを開設したのが1999年の秋、
貸本屋の会員を何とか増やしたいという店の宣伝とマンガ情報発信でスタートしました。
自サイトを開設した当時は、折角アップしたのだから、会員が増えるかどうかは二の次で(結果論としてはあまり効果は無かった)、
たくさんの人に見てもらいたいと、毎日アクセスカウンターの数字をチェックしていました。(前置きが長いですね)
そのうち、どこから訪問客がやってくるのかという無料のアクセス解析サービスにも登録して分析しました。
その当時、ヤフーはロボット検索部分をgooと提携していましたが、
やがてヤフーはその提携先をgoogleに変更。アクセス解析でもgoogle関連のサイト訪問が急激に伸びました。
このgoogleが当時としては(今もそうだと思いますけど)画期的な優秀さで、
アクセス解析によると、単独分とヤフー提携分を合わせるとダントツ1位のアクセス数でした。
これに気づく前だと思いますが、googleという優秀なロボット型検索エンジンが上陸したらしいと、何かで噂を読み、
それ以来、私は基本的にgoogle一本しか使っていません。
まだこれを超えるものが現れていないから。

そろそろ本題で、時期がいつだったのかは、はっきりしませんが、2001年の12月か?
googleツールバーというソフトが出来、これをダウンロードすると、
プラウザ(インターネット・エクスプローラーのみの対応で、ネット・スケイプの愛用者の方ごめんなさい)に、
いつでもgoogleの検索ができる検索窓が設置できるようになりました。
I・Eを起動した場合、いつでもツールバーの最下段一行がgoogleの機能になっています。
何かふと思いついたとき、何か疑問が生じたとき、わざわざgoogleのサイトに行かなくても、
そのキーワードを入力すると、即検索してくれるのです。
googleの便利なのは、キャッシュ(googleに情報としてストックされている色んなサイトの各ページ)のページへ行くと、
キーワードのハイライト(検索に使ったキーワードを色違いで表示してくれるので、その部分を探しやすい)があることです。
当店の通販リストのように縦長の場合、検索でヒットしたは良いけど、いったい何処に該当部分があるのか、探すのに苦労します。
古本屋のリストが、作者や書名のあいうえお順にならんでいるとは限りませんし、
ファンサイトや書評・感想のサイトの情報だって、文量が多いページだと、探す箇所が見つからずに、
下へ行ったり、上にもどったりと苦労します。そのとき役立つのが、このキャッシュのハイライト機能です。

私は、ほんの先日、最新のツールバーをダウンロードするまで知らなかったのですが、
このハイライト機能がキャッシュ(googleの倉庫)限定でなく使えるように、機能が大幅にアップしていました。、
どこかのサイトに訪問し、たとえば古本リストのページで、探すのが大変そうで一行一行をチェックするのが面倒くさいと感じたとき、
目指す作家名や題名などのキーワードを検索窓に入力して、ハイライトのボタンを押すと、
そのキーワードに対応する部分の背景の色を変えてくれるので、
目指すものが大変探しやすくなったことです。
さらに便利なのは、このハイライト機能はネットにつながっていなくても、
たとえば気に入って保存したホームページでも使えることです。
私が使っている方法でいうと、
私自身、自分のホームページの何処に何が記載されているのか、全て覚えているはずもなく、
通販のリストや日記のページなどで、目的のキーワードを入力して、ハイライト・ボタンを押すと、
その部分の背景の色を黄色に変えてくれるので、探す箇所を即見つけることができます。
更にキーワードに該当する部分が何箇所もある場合、順送りで表示させるボタンも付いています。

一盃やりながら書いているもので長々となってしまいましたが、
googleツールバーは古本探し、情報探しに欠かせないアイテムだということです。
googleファンには自明のことかもしれませんが、
私の姉のように、やっぱりヤフーが使いやすいという人もいますから、人それぞれだとは思いますけど。
そのツールバーの説明とダウンロードは次のアドレスで。
http://www.google.co.jp/intl/ja/options.html

前号のメルマガで書く時間が無いと言ったのは、
古本屋としては、素面のときは通販リストの数を増やすためにキーを打ちたいわけなものでして、
かと言って一旦打ち始めると、このように長くなってしまうので…
困った性分ですけど、これとも長い付き合いですので、死ぬまで腐れ縁ということで、しようがあるめえ〜。
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□ ■古本あれこれ■□2003.4/10
(古本探索手帳)
長編やシリーズもの、雑誌などで探している本がたくさんある場合、
古本屋廻りをするときに、携帯必須となるのが、古本探索手帳です。
何巻を探しているのか判らなくなった、持っていたと思うけど、さわりを立ち読みしても自信がない、
はたまたビニールがかかっていて内容が確認できないなどのときに、開くのがこの手帳です。
貸本屋をやろうなどと考える前から、この手帳をつけていました。
(もちろん、貸本屋を始めてからも手放せない必須アイテムでしたけど。)
その頃は、マンガ関連専用と一般書(SF、推理、落語、笑芸、映画、パロディ、オカルトなど)の二冊に分けて、購入の都度、記帳していました。
マンガの例でいくと、あ行のマンガ家、い行のというようにページを区分、
マンガ家が少ない場合は、「ら・わ行」で1ページ。
その他の区分としては、マンガ雑誌、評論雑誌、外国マンガなど。
マンガ単行本でいくと、「マンガ家名」「作品名」「巻数」の三区分で縦線を引きます。
あとは自分が利用しやすいように記帳するだけです。
所有している巻の数字を書き、探している巻は○印で空欄、見つけたらその巻数を記入、
逆に探している巻のみ記載しておき、見つけたら×印。
第□△巻までは持っていて、これから手帳をつけ始めるという場合は、□△の数字を最初に記載してスタートです。
記載の仕方によっては、この手帳が即蔵書台帳ということにもなります。
こうやっていても、つけ忘れがたまたま発生し、ダブリの購入は起きてしまいますけど。
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□■古本あれこれ■□2003.4/6
(マンガ雑誌)
ファンも嵩じてくると、単行本未収録作品を求めて、雑誌を探すようになります。
私自身、そういった雑誌をネットで購入したことがあり、
未収録作品の切抜きのオークションに参加して、一点だけ落札できたこともあります。
また、雑誌は判が大きいということや色刷りページの場合もあるという魅力のほか、
表紙のイラスト、広告や記事から作品が掲載された当時の時代を感じることもできます。
ただ雑誌の場合、単行本に比べるとゴミとなってしまう運命のものが多いようで、
流通量そのものが少ないことから、結構プレミアムがついていることも多いです。

私は学生時代から、雑誌で気に入った作品があると切り抜いて保存しています。
単行本になるまで何年も待たされた作品もあり、中にはついに単行本化されなかったものもあります。
切り抜きだとたいした場所をとるわけでもなく、繰り返し読めますから。
そのうち、当店の通販リストにも、その切抜きが登場するかもしれません。
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□■古本あれこれ■□2003.3/29
マンガの貸本屋を廃業したら、当然ですけど自分用のマンガをほとんど買わなくなりました。
もちろん新刊で買ったマンガは一冊も無し。
古本屋で定価の半額以上で購入した作品は「軍鶏」の新しい巻、石ノ森章太郎の「歯車」(未収録短編の文庫)と
「アフター0」の新編集版(未収録作品を含む)だけかも知れません。
私自身のフトコロがさびしいということもあるのでしょうが、
気にいっていた作品の続きも最近は全く気にかからなくなりました。
読まなきゃ読まずに済んでしまう、余裕があれば別なんでしょうけど。

景気が悪いから、新古書店にあれだけたくさんの「立読み」専門がいるのでしょう。
そして少しずつ貸本屋の灯は消えていく…
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□■古本あれこれ■□2002.11/14
<googleのこと>
・10/29の日に、10/23にアップしたメルマガ新リストの商品で直接の注文があった。
初めての人だったので、ひょっとしたらと思い、その本をgoogleで検索をしてみたら、
何と10/23にアップしたばかりの新アドレスのページが検索されました。
今までだと、検索されるまで2カ月近くかかっていたものが、たった一週間で検索されたことになります。
・もっとも、これで直接の注文が少し増えるかと期待したら、世の中そんな甘いもんやおまへんでした。
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□■古本あれこれ■□2002.10/22
<このメルマガのこと>
・前号のメールマガジンには66点の本を掲載しました。
久々にその翌日、メルマガ購読者からのに注文メールが1点入っていました。
そのあと自サイトでアップし、EasySeekにも出品して、さらに9点の受注がありました。
二週間で10点の注文、15パーセントの成約というのが多いのかどうかはわかりませんけど、
古本屋って、埋もれた本を見いだし、それを必要としている人に届ける仕事だと、
最近あらためて感じました。何せ、ネット古本屋を始めてまだ2年と10カ月なもので…。
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□■古本あれこれ■□2002.10/8
<岡崎二郎「アフター・ゼロ」>
・岡崎二郎の短編は、亡き藤子Fさんに通じる味があって、デビューの頃から好きです。
絶版の作品集が多かったのですけど、最近未収録も含めた再編集版「アフター・ゼロ」の発売がスタートしました。
既存の単行本を全て持っている者としては、既存のものは再版にして、
未収録作品だけで一冊の単行本を編んでくれれば、その一冊だけ購入すれば済むのですけど、
小学館も他のほとんどの出版社同様、商魂たくましいから、結局また全てを買うはめになりそうです。
未収録はホンの一部なので、当然、古本屋で。これって、出版社と読者の小さな戦いかな。
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□■古本あれこれ■□2002.9/23
<復刊ニュース>
・ホームページには既にお知らせを載せていますが、
私のお気に入りSF作品、北原文野さんのPシリーズ=u夢の果て」(新書館、全6巻)が、
ハヤカワ文庫JA(早川書房、全3巻)で復刊されます。10月中旬から毎月1冊ずつ発売予定です。
個人的には、復刊では楳図かずおの「イアラ」に並ぶ今年の二大ニュースだと思っています。
Pシリーズ≠ヘ、未来の地球を舞台に、危険視・迫害される超能力者たちを描いた大河ドラマです。
おそらく、「北原文野」という名前を全く知らないメルマガ購読者も多いことと思いますが、
隠れた名作ですので、SFファンの方、またそうでない方も是非ご一読を。
正当に評価されていないというか、本シリーズの存在そのものを知らない人が多いというか、
偶然出合ってハマってしまった一ファンとしては、そのことがちょっとさびしい作品でしたが、
SFの早川書房からの発売ということで、やっと日の目を見たなとの想いがあります。
この売れ行き如何によっては、他のPシリーズ≠フ復刊もあり得ますので、よろしく。

<雑感>
・有志による大学時代のクラス会が東北であったので、その時に仙台のブック・オフへ行ってきました。
若い人の立ち読みが多いことと新しい巻がほとんど見当たらないということでは、札幌と同じでした。
仕入れ競争の激化もあるのでしょうけど、やはり仙台も新刊があまり売れていないのかな?
マンガは、古本屋とコンビニの立ち読みで済ますという若い人は増えているんだろうな。
まあ、その若い人のニーズが無くなったから、貸本屋も廃業せざるを得ないのだけど。
・ところで、あの「著作権を考える会」はどうなったんでしょうかね。共同会見したペンクラブも。
マンガ雑誌での意見広告は今年になってからも見かけましたけど。水面下では何か交渉が進んでいるのかな?
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□■古本あれこれ■□2002.8/28
札幌の古本屋事情
新古書店などが陸続と開店したためと思われますが、昨年あたりから廃業した古本屋が目立つようになりました。
一方、札幌が発祥の地と言われる二分の一方式の店でも、新古書店の100円コーナーに対抗してか、
古いモノは値段を下げたり、店名を変え「二分の一」を取って人気マンガを若干高くしたり、
プレミアムコーナーも作ったりと、皆さん生き残り賭けて試行錯誤しているようです。
(仕入れ・販売価格をマニュアル化している新古書店ですが、その原型は二分の一方式にあったと思います。)
それにしても、CDやゲーム・ソフトなど単価の高い中古を扱わずに、
古本専門でネット通販もやっていないという古本屋さんは、どうやって食いつないでいるのでしょうか?
(と書いていたら、テレビの地方ニュースの本日の特集は、北海道の最近の古本屋事情でした。
こちらのメインは古書籍組合加盟店でしたけど。)
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