街の古本屋さんを歩くときは、探している本をチェックしながら何か面白い本はないかと、いくつかの興味ある分野の棚や新入荷の棚、均一本コーナーなど見て回ります。特に探していたわけでないけど、こんな本が出ていたのかと意外なものを発見し購入することもあります。
一方、ネット古本屋に入る場合は、特定の探し物があって古本屋を回っているという人が多いのではないでしょうか。街の古本屋さんでは見つからない、又は地元に古本屋さんがないので、??あの本?≠、という人が・・・。(もっとも、この私も先日ちょっと覗いたつもりのネット古本屋で、出版そのものを知らなかった落語の本を偶然見つけ早速購入しましたので、本との出会いにも色んなケースがあるとは思いますけど。)
特定の作者に最近ハマリ、とりあえず見つけた本は片っ端からという段階の人もいるでしょう。次の段階は他にどんな本が出版されているのか調べるところから始まります。もっぱら街の古本屋を利用しているのでネット古本屋とは縁がないという人でも、本好きに情報収集は欠かせません。
1 まずは情報収集 一般的には、特定のお気に入りの作者の本で持っていないものを欲しくなります。持っていない単行本にはどんなものがあるのかを知りたい。短編集の場合には、未読の作品が収録されているかどうか。(短編集は、後に色々編集されて出版されるものも多いので、単行本の題名だけでは、未読のものが収録されているかが判らないことが多い。)また、単行本未収録作品には、どんな作品があり、何という雑誌に掲載されたのか。雑誌掲載時と単行本収録時で書き換えなどの異同はあるのか。などなど、ファンの欲望にはキリがありません。 また、怪奇・恐怖ものなど特定の分野のマンガに限って集めているという人もいるでしょう。又は、サンコミックスなど、或るシリーズを全巻揃えたいという野望を持った人も・・・。 ●ファンサイトの情報 このような情報が欲しいときには、ファンサイトにお世話になるのが一番速いです。よくぞここまで調べたものだというファンサイトがたくさんあり、驚かされることもしばしばです。そして、そこの利用者の新たな情報提供などで更に自己増殖しているのですから、半端な情報量ではないサイトも多いです。そんなサイトは今もどんどん増え続けています。
特定のマンガ家で調べる場合、私が真っ先に利用しているマンガ
Linkには、ファンサイトのリンク集があります。(プロ漫画家の公式サイト・リンク集もありますが、ベテラン作家の場合、自らサイトを開いていないことの方が多いようです。) ここで見つからないときはロボット型検索エンジンGOOGLEなどで、キーワードに作者名やファンなどを入力し、ファンサイトを探しています。
2001.11/18追記 GOOGLEにはキャッシュという機能があって、目的のアドレスへ飛ばなくともGOOGLEに保存されているそのページのデータを見ることができる。また、キーワードは一字一字が色づけされているので、目的のものを探しやすい。 (縦長の重いページのリンクへ行った場合、表示されるのに時間がかかるし、目的のものがなかなか見つけられず、イライラすることがあるが、色づけキャッシュだと目的の箇所が一目瞭然だ。ただ、本家のページが更新されていたとしても、キャッシュはまだ更新されていないという時間のズレはあるが、いくつかのキャッシュを覗いて目星をつけてから、当該サイトへ行く方が効率は良いと思う。) キーワード検索では、今のところGOOGLEが一番性能良し。※
2001.12/11追記 googleツールバーというのがあり、これをダウンロードするとInternetExplorerにGoogle専用のツールバーが追加表示されて、いつでもGoogleのキーワード検索ができることになります。ツールバーには接続中のサイト内検索もできるという優れた機能もあります。 Googleファンには便利なツールで、下記のサイトでダウンロードできます。 Google の様々な使い方
ファンサイトも関係サイトと相互にリンクしていることが多いので、何処のデータが一番充実しているかを確認したら、気に入ったサイトをお気に入り(Netscapeならブックマーク)に登録し、必要なリストのページは名前をつけてファイル保存します。これでネットにいちいちネット接続しなくとも、いつでも自分の蔵書とのチェックが出来ます。何せ増殖していますから、「お気に入り」から飛んで定期的に更新状況をチェックし、必要があればファイルの上書き保存をします。
ちなみに、この私はもっぱらファンサイト(マンガ家ご本人公認サイトを含む)の利用者で、公式サイトを利用したことはありません。(ご本人談のエピソードを知りたい場合は、別ですが。)というのも、意外とご本人情報には洩れなどが多いような気がして・・・、また自分のことは自ら語りづらいという事情もあるような気がして。やはり情報という意味ではファンの執念の方が優っているような気がしますし、作品についてのコメントもありますので、わざわざ探して高値で入手するほどの価値のある作品かどうかの判断材料にも成り得ます。また、掲示板を設置しているサイトも多いので、質問の書き込みも可能です。サイト運営者の方もそこ常連の方も皆さん同じファンなので、親切に教えてくれます。(掲示板のないサイトでは質問メールを出しましょう。) (小説家関係では、OmniStory 小説情報交換サイトに、プロ作家リンク集とファンサイトのリンク集があります。)
特定の作家ではなく、或る分野で、又は或るシリーズなどについて情報が欲しい場合は、それをキーワードにロボット検索してみると、色んなそして意外なファンサイトがたくさんあり、そのデータにビックリさせられます。
●国立国会図書館の蔵書データ ファンサイトや公式サイトがない場合、私は次に国立国会図書館の検索を利用します。ここでは国立国会図書館が所蔵する和図書データ(1948年以降受入分のみ・約200万件)から著者名検索が出来ます。(もちろん洋図書データの検索も可) 「民間の出版物が発行されたときは、文化財の蓄積及びその利用に資するため、国立国会図書館に納入」又は寄贈が国立国会図書館法によって定められているとのことですが、発行年の古い本では所蔵していないものも結構あるようですが、何といっても国会図書館ですから。(ちなみに、梶原一騎で検索すると234冊の蔵書が確認できます。4/21現在
)
●書名は判ったけど、どんな内容 国立国会図書館にあった見知らぬ題名の本や或る古本屋で偶然見かけた本がどんな本なのか知りたい場合には、その書名と作者名をキーワードにGOOGLEなどでロボット検索をすると、その書評や概要紹介をしているサイトがあってどんな本なのかその内容が判る場合もあります。ホント、インターネットって広いです。(古本屋さんで見つけた本でしたら、メールで内容照会することもできます。)
2 次は古本探し 探すべき目的の本について判ったら、古本屋などにあるかどうかの古本探しです。 ●ふるほん横町などの検索エンジン 古本探しでは、まず、ふるほん横町閉鎖の登録古本屋全文検索を使っています。探している本の書名、作者名、出版社などを入力してのキーワード検索です。後述するGOOGLEなどのロボット型検索エンジンでは、ファンサイトのリストや個人の読後感想のページなどもヒットしますが、ふるほん横町のロボット型検索は古本屋さんのみが対象ですから、まぎらわしいページがヒットする可能性は低いです。(検索窓のあるトップページをデスクトップにファイル保存しておくと、いつでもデスクトップから即利用可能です。)なお、ふるほん横町では他の古本検索サイトも利用できます。(私は、ふるほん横町の検索を利用して何度か探求書を安く入手しています。) (2000.5/18追記:OldBookMark -
古本屋散策の栞でも、OBM的古本検索という全文検索がスタート、上記のふるほん横町と同様使える検索です。)
ふるほん横町閉鎖の検索で見つからなかった場合には、ロボット型検索エンジンでは後発のエンジンであるGOOGLEをまず使っています。というのもロボット型検索エンジンはたくさんあるのですが、他のものより目的のものを検索する能力が高いと感じているからです。 (ちなみに、我がサイトに来訪した方の利用が多いロボット型検索エンジンのベスト5は、ふるほん横町閉鎖を筆頭にGOOGLE、Yahoo!JAPAN(GOOGLEと提携)、フレッシュアイ、Excite
エキサイトとなっています。2001年3月の1カ月間のデータによる。)
検索エンジンの一括検索サイト(キーワードを一度入力すると各種の検索エンジンを利用できるサイト)もたくさんありますが、私は、検索デスクSearchDesk.comを利用して検索しています。(名前をつけてデスクトップにファイル保存しておくと、いつでもデスクトップから即利用可能です。)こういった一括検索サイトもたくさんありますので、自分の使いやすいものを見つけましょう。
探している本が古本屋さんで見つかった場合は、送料など必要経費を含めた価格と本の状態とを勘案し、注文するかどうか判断することになります。
●EasySeekなどに探し物登録 上記の検索で目的の本が見つからない場合、EasySeek 探しものお手伝いサービス
というサイトがあり、探求書の登録ができます。登録した本はネット上で公開されるとともに、登録している古本屋さんにEメールで配信され、古本屋さんに在庫があったら古本屋さんから価格などの連絡が入るというシステムです。私は、探している本を登録したことはありませんが、古本屋として登録していますので、何度も成約・販売しています。登録時に個人売買可という選択もできます。ここの良いところは、まだ通販リストに載っていない本の在庫についての情報も入る可能性があることです。(当たり前ですが、検索ではひっかからない商品です。) EasySeekに古本屋として登録している立場で思うのは、購入の目安価格(特に絶版の本)を是非明示してください。私は目安価格がない探し物に対しては、原則として在庫があってもメール連絡はいたしません。安ければ安いほど良いという探している人の気持ちも解りますけど、連絡はしたもののお互いの価格の隔たりが大きかったので。 OldBookMark -
古本屋散策の栞にも参加古本屋さんに配信してくれる同様のサービスがあります。 また、ふるほん横町閉鎖にも探求書専用掲示板がオープンしています。
2001.11/17追記 9月上旬からEasySeekのマイブースに「夢の屋」の支店を出店(古本リストのアップ)した。すると意外なことに、今までずっと「夢の屋」のサイトでは売れていなかったものに、注文が入り始めた。 何故かというと、EasySeek(古本のコーナー)で本探しをしている多くの人は、1で詳述したロボット型検索エンジンGOOGLEなどでのキーワード検索をしていなかったということだ。もし、EasySeek経由で注文をくれた人が、探している本の題名と作者名で検索していたら、該当する商品が掲載されている夢の屋の通販リストのページや他店のページも検索されていて、もっと早くにその本を入手していたはずである。 皆さんもっとGOOGLEなどの検索エンジンをうまく使いこなしましょう。
2001.12/8追記 EasySeekにはオートシークというサービスがあり、登録したキーワードについて毎日自動でEasySeekの商品データベースを検索し、結果をメールで知らせてくれる。
●ファンサイトに探し物登録 コミックスページ by
WestRiverには探求本の部屋があり、探している本の登録をしてマンガファンの方々にそれを探してもらうというシステムがあります。なお、探しているひとが多い本は順番待ちになっています。 (私はここに登録したことはありませんが、中抜けの長編マンガ「夢の果てから」(北原文野作、ちょっとマイナー)を長年探していますと或る掲示板で書き込みましたところ、このWestRiverさんに都内の古本屋を探していただき、やっと欠巻を入手できました。) また、このようなマンガ全般のファンサイトでは、ダブリの蔵書を安く売るコーナーを設けているところもありますので、よほどのプレミアムものでなければ安価で入手できる可能性があり、個人のマンガファン・サイトの販売コーナーも要チェックです。
●オークションなどでの個人売買 最近は、オークションサイトなどの個人売買も侮りがたいと感じています。従来であれば、個人が本を手放すときは、古本屋さんに持ち込んでいたのですが、ネットオークションなどに個人で出品できるようになったことから、ネットの古本屋さんで探しても見つからなかった本が、古本屋さんに売るよりは高く売れそうだということで、個人出品されることも多くなっています。また、先に取り上げたEasySeekに個人売買可として登録しておいた場合の個人売買もあります。 (私の場合、別の判のものは所有していたのですが、必要があって探していた永島慎二「漫画家残酷物語」全4(小学館文庫)と楳図かずお「イアラ」全5(小学館文庫)とをYahoo!オークションで入手いたしました。なお、ヤフーオークションは自分の上限価格を登録しておくと、他の入札があった場合には、その最低価格(スタート価格)によって決められた単位(100円刻みなど)で、その登録上限価格までは随時プラスして応札してくれるというシステムです。) オークションは競り合う仕組みのため、熱くなってしまう可能性があるので、自分の上限価格を決めておき、それを超えたら撤退するという潔さ・諦めも必要だと思います。もっとも、その品薄度と探している期間にもよるでしょうけど。(ヤフーオークションも有料化されたということで、何か動向変化があるのかは未確認です。)もちろん、オークションに出品している古本屋さんもいます。
各種オークションに探している本が出品されているのか調べるサイトとして、オークション検索
bestlot.comというのがあります。(前述の2作品は、ここを利用して定期的にチェックしていて、出品されたことを確認しました。)
2001.12/8追記 Yahoo!オークションには、オークションアラートというサービスシステムがあり、条件に一致した商品がオークションに出品されるとメールで知らせてくれる。お気に入りの出品者ID、または検索キーワードなどを指定することができる。 ちなみに私は、貴重な雑誌切り抜きを出品した人と或る一人のマンガ家を指定していますけど、便利なものですね。
●昔ながらのカタログ通販 ネット古本屋という手法が一般的になる前は、印刷物のカタログによる通販が遠くの古本屋さんから探している本を入手できる唯一の手段でした。かく言う私も、10年以上前には数店のカタログを取り寄せて注文しておりましたし、今でも時たまそれを利用して注文することがあります。そのカタログ通販に力を入れている古本屋さん(ネット古本屋も現在は開設)から聞いたのですが、カタログ通販に対するEメールでの注文の割合はまだまだ低いということでした(ネット利用者と絶版マンガのマニアとの年代はまだちょっと乖離しているのか?)し、ネットには参入せずカタログ通販で頑張っている古本屋さんもまだまだたくさんあるでしょうから、その分野に強い古本屋さんのカタログを取り寄せるというのも一つの方法だろうと思います。また、複数の古本屋によるデパートなどでの古本市のカタログも発行されています。(あの「まんだらけZENBU」は新刊書店で売っている通販カタログ雑誌です。)
3 最後に 長年探しているものは簡単には見つからないことも多いと思いますが、自分のフトコロと相談しながら、気長に頑張りましょう。 果てしなく広く奥の深いネット世界ですから、便利なサイトや古本探しのまだまだ効率的な方法もあるのかもしれませんけど、あくまで私自身の体験に基づくものです。
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