道新マンガコラム

ジョジョの奇妙な冒険荒木飛呂彦

道新コラムのトップ   貸本屋について   TOP

(2000年6月23日付け道新夕刊)第2回目 漫壇 ただ今貸出中
ジョジョの奇妙な冒険荒木飛呂彦  超能力を描き新機軸

 貸本屋を始めた当初はまだまだ蔵書数も少なく、ないものだらけで、
「○△はありますか」と尋ねられる度に冷や汗を流していた。

 ある日、SFファンの会員から「ジョジョの奇妙な冒険」(以下「ジョジョ」)が面白いと教えられ、
早速第1巻目を試しに買って読んで見た。なるほど、これはなかなか面白い。
そこで、当時発売されていた第二十六巻までがまとめてわが店頭に並ぶことになったのである。

 「ジョジョ」は、特殊な能力の血筋のジョジョと呼ばれる主人公が、部ごとに新しい世代に入れ替わりながら、
物語の舞台を世界各地に変えて邪悪なモノと戦うというサスペンス・アクションドラマである。
第六十三巻で第五部が終了し、現在第六部が週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中だ。
 

 作者の荒木氏は、「超能力をビジュアル化」(作者談)して表現するという発見により、
この分野に新機軸を打ち出した。この方法で、作者の想像力の及ぶ限りの超能力がマンガで表現可能となり、
読者にも物語が今まで以上に説得力を持って迫ってくることになった。

 私が最も衝撃を受けたのは、作中のマンガ家がリアルなマンガを描くために
他人の記憶のページを破こうとしている、このシーンである。
この能力を使うと相手の記憶を読み取ったり、新たに書き込んだりすることで、行動も制御できるのだ。

 次はどんな超能力が登場し、どのようにビジュアル化されるのか、
相手の超能力者とのかけひきはどう発展するのかなど、ファンとしては続巻の待ち遠しい作品の一つである。

 「ジョジョ」ファンは当店にも多いが、以前借りたある会員の息子さんが、後から「ジョジョ」の面白さにハマリ、
親子二代で同じ本を借りることになったこともある。

 また、あるパートが完結すると再度まとめて借りて一気に読むという熱心なファンもいる。

 「ジョジョ」の妖(あや)しい活劇の世界をのぞいてみませんか。きっと、あなたもとりこになるはずです。

                      (マンガ専門貸本店「夢の屋」店主)

「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社) ジャンプコミックス(新書判)全63(第5部まで)
「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」(集英社) ジャンプコミックス(新書判)第7巻まで(2001.6月現在)(第6部にあたる)

道新コラムのトップ   貸本屋について   TOP
inserted by FC2 system